被告適格
ひこくてきかく
ひとことで言うと
取消訴訟などの抗告訴訟において、どの行政主体を被告として訴えるべきかを定めるルールのこと。
くわしく解説
被告適格とは何のためにあるの?
取消訴訟を起こすとき、「誰を相手に訴えればいいの?」という問題があります。これを決めるルールが被告適格です。
民事訴訟なら、契約の相手方や不法行為をした本人を訴えればよいので分かりやすいですよね。しかし行政訴訟では、処分をした「担当者」や「行政庁」ではなく、その行政庁が属する行政主体(国や地方公共団体など)を被告にするルールになっています。
具体的には誰を訴えればいいの?
行政事件訴訟法11条に定められています。ルールは次のとおりです。
①処分・裁決をした行政庁が国または公共団体に属する場合 → その行政庁が属する国または公共団体が被告になります。
②処分・裁決をした行政庁が国または公共団体に属さない場合 → その行政庁自体が被告になります。
例えば、税務署長が行った課税処分を争うなら、税務署長ではなく「国」を被告とします。市長が行った営業許可の取消処分なら「〇〇市」が被告です。
なぜ行政庁ではなく行政主体なの?
以前は「処分をした行政庁」を被告としていました。しかし、組織改編で行政庁がなくなったり、どの行政庁か分かりにくかったりして、市民にとって不便でした。
そこで2004年の法改正で、より分かりやすい「国」や「地方公共団体」を被告とするルールに変わりました。ポイントは、「市民が訴えやすくする」という考え方にあります。
試験での注意点は?
試験では「処分をした行政庁を被告とする」というひっかけ選択肢がよく出ます。正しくは行政庁が属する国・公共団体です。また、被告を間違えた場合でも、裁判所は被告の変更を許可できるという救済規定(15条)も押さえておきましょう。
具体例で考えよう
ケース①:税務署長の課税処分を争う場合
あなたが税務署長から不当な課税処分を受けたとします。取消訴訟を起こすとき、訴える相手は「税務署長」ではなく「国」です。税務署長は国に属する行政庁だからです。これが被告適格のルールです。
ケース②:市長の営業許可取消しを争う場合
あなたが経営する飲食店の営業許可を市長に取り消されたとします。この処分を争う取消訴訟では、「市長」ではなく「〇〇市」を被告として訴えることになります。
試験対策ポイント
「被告適格」は行政法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
関連用語
📱 アプリのご紹介
スマホアプリで、いつでもどこでも。行政書士合格を、スキマ時間で。
行政書士試験学習には必須の判例のわかりやすい解説から科目別テキスト、過去問演習、択一演習をスマホでまとめて持ち歩ける学習アプリです。通勤・休憩中に1問だけでも。独学でも仕事と両立しながら、合格を目指せます。