即時強制
そくじきょうせい
ひとことで言うと
義務を課すことなく、行政機関が直接に国民の身体や財産に実力を加えて、行政上必要な状態を実現する強制手段のこと。
くわしく解説
即時強制って何?他の強制手段とどう違うの?
行政が国民に対して実力を使う場面を想像してみてください。通常は「〇〇しなさい」という命令(義務)が先にあって、それに従わない場合に強制する、という流れになります。
しかし、即時強制は違います。義務を課す暇がない、または義務を課しても意味がない緊急の場面で、いきなり実力行使ができる制度です。
ポイントは、「命令→不履行→強制という通常のステップを踏まない」という点にあります。
なぜ即時強制が必要なの?
例えば、泥酔者が道路で寝ていて交通の危険があるとします。「どいてください」と命令して、従わなければ強制…なんて悠長なことをしていられませんよね。
このように、緊急性が高い場面や、相手に義務を課しても履行が期待できない場面では、即時に強制できなければ行政目的を達成できません。
即時強制の具体例は?
①警察官による保護があります。泥酔者や迷子を保護する行為です(警察官職務執行法3条)。
②感染症患者の強制入院があります。感染拡大を防ぐため、本人の同意なく入院させることができます。
③違法駐車車両のレッカー移動があります。所有者に命令する前に移動できます。
試験で狙われるポイントは?
即時強制は行政上の強制執行とは別物です。強制執行は「義務の不履行」が前提ですが、即時強制は義務を前提としません。この違いは頻出です。
また、即時強制は国民の権利を直接侵害するため、必ず法律の根拠が必要とされています。比例原則に従い、必要最小限度でなければなりません。代執行のような一般法はなく、個別の法律で定められている点も押さえておきましょう。
具体例で考えよう
ケース①:泥酔者の保護
あなたが警察官だとします。深夜、道路の真ん中で酔いつぶれて寝ている人を発見しました。車にひかれる危険があります。この場合、「どいてください」と命令して従わせる時間はありません。警察官は直接その人を安全な場所に移動させることができます。これは即時強制の典型例です。
ケース②:感染症患者の強制入院
危険な感染症にかかった患者が入院を拒否したとします。「入院しなさい」という命令に従うのを待っていたら、感染が広がってしまいます。行政は本人の意思に関係なく、直接入院させることができます。これも即時強制にあたります。
試験対策ポイント
「即時強制」は行政法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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