処分等の求め
しょぶんとうのもとめ
ひとことで言うと
法令違反の事実を発見した場合に、何人でも行政庁に対して処分や行政指導を行うよう求めることができる制度のこと。
くわしく解説
どんな制度なの?
「処分等の求め」とは、法令に違反する事実を発見した人が、行政庁に対して「ちゃんと取り締まってください」と申し出ることができる制度です。
ポイントは、「誰でも申出ができる」という点にあります。被害者でなくても、利害関係がなくても、違反を見つけた人なら誰でも行政に働きかけることができるのです。
なぜこの制度が必要なの?
行政庁は、すべての違反行為を自ら発見することはできません。市民の目で違反を見つけ、行政に知らせることで、より効果的な法令の実現が期待できます。
この制度は2014年(平成26年)の行政手続法改正で新設されました。行政指導の中止の求めと同時に導入された、比較的新しい制度です。
申出の要件は?
①法令違反の事実があること。何らかの法令に違反している状態が存在する必要があります。
②是正のための処分・行政指導がされていないこと。すでに行政が対応している場合は対象外です。
③書面で申出すること。口頭ではなく、違反の事実や処分・行政指導の根拠となる法令の条項などを記載した書面を提出します。
行政庁はどう対応するの?
申出を受けた行政庁は、必要な調査を行い、違反事実があると認めるときは、処分や行政指導を行わなければなりません。
ただし、ここで注意が必要です。申出に対して行政庁が応答する義務はありません。つまり、「調査しました」「処分しました」と報告してもらえるわけではないのです。
試験で問われやすいポイント
「何人も」申出できる点、書面による申出が必要な点、そして応答義務がない点がよく出題されます。行政指導の中止の求めとの違いも押さえておきましょう。中止の求めは「当該行政指導を受けた者」だけができますが、処分等の求めは誰でもできる点が異なります。
具体例で考えよう
ケース①:近隣の違法建築物を発見した場合
あなたの隣に、建築基準法に違反した建物が建てられているのを発見したとします。直接の被害を受けていなくても、あなたは特定行政庁に対して「この建物は違法だから、是正命令を出してください」と書面で申し出ることができます。これが処分等の求めです。
ケース②:飲食店の衛生違反を目撃した場合
たまたま入った飲食店で、食品衛生法に違反するような不衛生な状態を目撃したとします。あなたはその店の常連客でなくても、保健所に対して「営業停止処分や行政指導を行ってください」と書面で申し出ることができます。
試験対策ポイント
「処分等の求め」は行政法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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