行政指導の中止の求め
ぎょうせいしどうのちゅうしのもとめ
ひとことで言うと
違法な行政指導を受けている者が、行政機関に対してその中止を求めることができる手続のこと。
くわしく解説
どんな制度なの?
行政指導とは、法律上の強制力はないものの、役所から「こうしてください」とお願いされるものです。しかし、実際には断りにくいことも多いですよね。
そこで、違法な行政指導を受けている人が「この指導はおかしい、やめてほしい」と行政機関に申し出ることができる制度が設けられました。これが行政指導の中止の求めです。
なぜこの制度が必要なの?
行政指導には法的拘束力がないため、理論上は従わなくても不利益はないはずです。でも現実には、役所の言うことを断ると後で嫌がらせを受けるのではないかと心配になりますよね。
ポイントは、「強制力がないはずの行政指導が、事実上の圧力になっている」という問題意識にあります。この制度は、そうした状況から市民を守るために2014年の行政手続法改正で新設されました。
中止を求めるための3つの条件
①法令に違反する行為の是正を求める行政指導であること。単なるお願いではなく、「法令違反だから直しなさい」という趣旨の指導が対象です。
②行政指導の根拠となる法律の要件を満たしていないと思料すること。つまり、「この指導の根拠がおかしい」と考える場合です。
③行政指導を受けている者が申出をすること。関係のない第三者からは申出できません。
申出の効果と行政機関の義務
申出を受けた行政機関は、必要な調査を行い、行政指導が法律の要件に適合しないと認めるときは、行政指導の中止その他必要な措置をとらなければなりません。
ただし、申出に対して行政機関がどう対応したかを通知する義務はありません。ここが「処分等の求め」との違いでもあります。
試験で押さえるべきポイント
行政手続法36条の2に規定されています。「処分等の求め」(36条の3)と混同しやすいので、両者の違いを整理しておきましょう。中止の求めは自分が受けている行政指導について、処分等の求めは他人に対する処分や行政指導を求める制度です。
具体例で考えよう
ケース①:建築会社への違法な指導
あなたは建築会社を経営しています。ある日、役所から「建築基準法に違反しているので工事を中止してください」と行政指導を受けました。しかし、調べてみると法令の要件を満たしており、違反はないと確信しています。この場合、行政指導の中止の求めを申し出ることができます。
ケース②:飲食店への営業自粛要請
あなたは飲食店を営んでいます。保健所から「食品衛生法違反の疑いがあるので営業を自粛してください」と指導されました。しかし、法令違反の事実はありません。このとき、行政指導の中止の求めを行い、役所に調査と対応を促すことができます。
試験対策ポイント
「行政指導の中止の求め」は行政法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
関連用語
📱 アプリのご紹介
スマホアプリで、いつでもどこでも。行政書士合格を、スキマ時間で。
行政書士試験学習には必須の判例のわかりやすい解説から科目別テキスト、過去問演習、択一演習をスマホでまとめて持ち歩ける学習アプリです。通勤・休憩中に1問だけでも。独学でも仕事と両立しながら、合格を目指せます。