公用廃止
こうようはいし
ひとことで言うと
公物としての用途を廃止し、私人が自由に使える一般の財産に戻す行政行為のこと。
くわしく解説
公用廃止とは何をすることなの?
道路や公園など、みんなが使う「公物」を、もう公の目的には使わないと決めて、普通の財産に戻すことです。
たとえば、使われなくなった市道を廃止して、民間に売却できる土地に変えるイメージです。ポイントは、「公物としての性質を失わせる行政の意思決定」という点にあります。
なぜ公用廃止が必要なの?
公物には特別なルールがあります。道路は勝手に売れませんし、公園を担保にお金を借りることもできません。これは公物が「私法の適用を受けない」という性質を持っているからです。
でも、もう使わなくなった道路をいつまでも公物のままにしておくのは非効率ですよね。そこで、公用廃止をして一般の財産に戻すことで、売却したり他の用途に使ったりできるようになるのです。
公用廃止の2つのパターン
①明示の公用廃止があること。行政庁が「この道路は廃止します」と正式に決定・告示するパターンです。
②黙示の公用廃止があること。長年にわたって実際に使われなくなり、公物としての形態も失われた場合に、事実上廃止されたと認められるパターンです。
判例では、長期間放置されて道路の形をなくし、誰も通行していない状態が続けば、黙示の公用廃止が認められることがあります。
「公用開始」との関係は?
公用廃止の反対が「公用開始」です。公用開始は、普通の土地を道路や公園として使い始めることを決める行為です。
公用開始 → 公物になる → 公用廃止 → 普通の財産に戻る、という流れをセットで覚えておきましょう。
試験で狙われるポイント
試験では「黙示の公用廃止が認められる条件」がよく問われます。単に使われなくなっただけでは足りず、公物としての形態を喪失し、将来も公の目的に使う見込みがないことが必要です。
具体例で考えよう
ケース①:使われなくなった市道の廃止
ある市道が、周辺の開発により誰も通らなくなったとします。市は正式に廃道の手続きをとり、その土地を民間企業に売却しました。これは明示の公用廃止の典型例です。
ケース②:長年放置された里道
昔からあった里道が、50年以上誰にも使われず、草木に覆われて道の形がなくなっていたとします。裁判所は、このような状態では黙示の公用廃止が成立すると判断しました。これは黙示の公用廃止にあたります。
試験対策ポイント
「公用廃止」は行政法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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