先取特権
さきどりとっけん
ひとことで言うと
法律が定めた一定の債権について、債務者の財産を他の債権者に優先して弁済を受けられる担保物権のこと。
くわしく解説
なぜ「先取特権」という名前なの?
先取特権は、他の債権者よりも先に取る(優先的に弁済を受ける)権利だから、この名前がついています。
普通、お金を貸した人(債権者)が複数いる場合、債務者の財産を平等に分け合うのが原則です。でも先取特権があると、法律が特別に認めた債権については、他の人を押しのけて優先的に回収できるのです。
他の担保物権との決定的な違いは?
抵当権や質権は、当事者同士の契約で設定する担保です。一方、先取特権は法律で自動的に発生します。これを「法定担保物権」といいます。
つまり、あなたが契約書を作ったり登記をしたりしなくても、法律の要件を満たせば当然に発生するのです。これが先取特権の大きな特徴です。
どんな債権に認められるの?
民法は、公平の観点から特に保護すべき債権に先取特権を認めています。
①一般の先取特権…債務者のすべての財産を対象とするもの。共益費用、雇用関係、葬式費用、日用品の供給などがあります。
②動産の先取特権…特定の動産だけを対象とするもの。不動産の賃料、旅館の宿泊料などがあります。
③不動産の先取特権…特定の不動産を対象とするもの。不動産の保存・工事・売買の代金債権などです。
試験では何が狙われる?
先取特権の種類と順位、そして抵当権との優劣関係がよく問われます。特に不動産先取特権は登記がなくても抵当権に対抗できる場合があるので、その要件を押さえておきましょう。
具体例で考えよう
ケース①:従業員の給料債権
あなたが会社で働いていて、会社が倒産してしまったとします。このとき、あなたの未払い給料は「雇用関係の先取特権」として保護されます。会社にお金を貸していた銀行などよりも優先して、あなたの給料が支払われるのです。
ケース②:大工さんの工事代金
大工さんがあなたの家を修理したのに、あなたが代金を払わなかったとします。この工事代金債権には「不動産工事の先取特権」が認められ、修理したその家を対象に、他の債権者より優先して弁済を受けられます。これは法律で自動的に発生するので、大工さんが特別な契約をしていなくても認められます。
試験対策ポイント
「先取特権」は民法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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