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民法債権総論

債権者代位権の転用

さいけんしゃだいいけんのてんよう

📌

ひとことで言うと

本来は債権回収のための制度である債権者代位権を、債権回収以外の目的で利用する特殊な使い方のこと。

なる子ちゃん

くわしく解説

そもそも債権者代位権って何だっけ?

債権者代位権は、本来は債務者が返済できないほど無資力なのに、自分の権利を行使しない場合に、債権者が債務者に代わって権利を行使できる制度です。たとえば、あなたにお金を返せない債務者が、第三者に対する債権を持っているのに回収しようとしない場合、あなたが代わりに取り立てられるのです。


「転用」って何が違うの?

転用とは、この債権者代位権を本来の債権回収目的ではなく、別の目的で使うことを指します。つまり「お金を回収するため」ではなく、「自分の権利を守るため」に使うのです。

ポイントは、債務者が無資力でなくても使えるという点にあります。通常の債権者代位権では債務者の無資力が要件ですが、転用の場合はこの要件が不要になるのです。


どんな場面で使われるの?

典型例は不動産の賃借人が、賃貸人に代わって所有権移転登記を請求する場合です。

土地を借りているあなたが、土地の所有者が変わったのに登記がされていないと、新所有者に「私が正当な賃借人です」と主張できません。そこで、旧所有者に代わって登記手続きを請求するのです。これは債権回収が目的ではなく、自分の賃借権を守るためという別の目的ですよね。


試験での注意点

転用の場合、①保全の必要性(自分の権利を守る必要性)があれば認められ、②無資力要件は不要という点が頻出です。

なる子ちゃん

具体例で考えよう

ケース①:土地賃借人の登記請求

あなたは甲さんから土地を借りて建物を建てています。その後、甲さんが土地を乙さんに売却しましたが、所有権移転登記をしないまま放置しています。このままでは、あなたは乙さんに対して「私は正当な賃借人です」と対抗できません。そこで、あなたが甲さんに代わって、乙さんへの所有権移転登記手続きを請求できます。これが債権者代位権の転用の典型例です。

ケース②:地役権者の登記請求

あなたの土地には、隣地を通行できる地役権が設定されています。隣地の所有者が変わったのに、地役権設定登記がされていません。新しい所有者に地役権を主張するため、あなたは前の所有者に代わって地役権設定登記を請求できます。これも債権回収ではなく、自分の通行権を守るための転用です。

試験対策ポイント

債権者代位権の転用」は民法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。

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