債権者代位権の転用
さいけんしゃだいいけんのてんよう
ひとことで言うと
本来は債権回収のための制度である債権者代位権を、債権回収以外の目的で利用する特殊な使い方のこと。
くわしく解説
そもそも債権者代位権って何だっけ?
債権者代位権は、本来は債務者が返済できないほど無資力なのに、自分の権利を行使しない場合に、債権者が債務者に代わって権利を行使できる制度です。たとえば、あなたにお金を返せない債務者が、第三者に対する債権を持っているのに回収しようとしない場合、あなたが代わりに取り立てられるのです。
「転用」って何が違うの?
転用とは、この債権者代位権を本来の債権回収目的ではなく、別の目的で使うことを指します。つまり「お金を回収するため」ではなく、「自分の権利を守るため」に使うのです。
ポイントは、債務者が無資力でなくても使えるという点にあります。通常の債権者代位権では債務者の無資力が要件ですが、転用の場合はこの要件が不要になるのです。
どんな場面で使われるの?
典型例は不動産の賃借人が、賃貸人に代わって所有権移転登記を請求する場合です。
土地を借りているあなたが、土地の所有者が変わったのに登記がされていないと、新所有者に「私が正当な賃借人です」と主張できません。そこで、旧所有者に代わって登記手続きを請求するのです。これは債権回収が目的ではなく、自分の賃借権を守るためという別の目的ですよね。
試験での注意点
転用の場合、①保全の必要性(自分の権利を守る必要性)があれば認められ、②無資力要件は不要という点が頻出です。
具体例で考えよう
ケース①:土地賃借人の登記請求
あなたは甲さんから土地を借りて建物を建てています。その後、甲さんが土地を乙さんに売却しましたが、所有権移転登記をしないまま放置しています。このままでは、あなたは乙さんに対して「私は正当な賃借人です」と対抗できません。そこで、あなたが甲さんに代わって、乙さんへの所有権移転登記手続きを請求できます。これが債権者代位権の転用の典型例です。
ケース②:地役権者の登記請求
あなたの土地には、隣地を通行できる地役権が設定されています。隣地の所有者が変わったのに、地役権設定登記がされていません。新しい所有者に地役権を主張するため、あなたは前の所有者に代わって地役権設定登記を請求できます。これも債権回収ではなく、自分の通行権を守るための転用です。
試験対策ポイント
「債権者代位権の転用」は民法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
関連用語
📱 アプリのご紹介
スマホアプリで、いつでもどこでも。行政書士合格を、スキマ時間で。
行政書士試験学習には必須の判例のわかりやすい解説から科目別テキスト、過去問演習、択一演習をスマホでまとめて持ち歩ける学習アプリです。通勤・休憩中に1問だけでも。独学でも仕事と両立しながら、合格を目指せます。