係争処理手続
けいそうしょりてつづき
ひとことで言うと
国と地方公共団体、または地方公共団体同士の間で争いが生じたときに、裁判に頼らず解決するための行政上の手続きのこと。
くわしく解説
なぜ特別な手続きが必要なの?
地方自治の世界では、国と地方公共団体、あるいは地方公共団体同士で意見が対立することがあります。たとえば、国が出した「是正の要求」に対して、市町村が「それはおかしい!」と思った場合、どうすればよいのでしょうか。
ここで登場するのが係争処理手続です。ポイントは、「いきなり裁判所に行くのではなく、まずは行政内部で解決を試みる」という考え方にあります。
どんな機関が関わるの?
係争処理手続には、2つの重要な機関があります。
①国地方係争処理委員会があること。これは総務省に置かれる第三者機関で、国の関与に対して地方公共団体が不服を申し立てる場合に審査を行います。
②自治紛争処理委員があること。こちらは地方公共団体同士の紛争を処理するために、総務大臣または都道府県知事が任命する機関です。
手続きの流れはどうなっているの?
国の関与に不満がある場合、地方公共団体は国地方係争処理委員会に審査の申出ができます。委員会は審査を行い、国の関与が違法または不当と認めれば、国の行政庁に対して必要な措置を講ずべきことを勧告します。
それでも納得できない場合は、高等裁判所に訴訟を提起することができます。つまり、係争処理手続は裁判の前置手続としての役割も担っているのです。
試験でのポイントは?
行政書士試験では、国地方係争処理委員会と自治紛争処理委員の違いがよく問われます。前者は「国 vs 地方」、後者は「地方 vs 地方」の紛争を扱うと覚えておきましょう。また、審査の申出ができる期間(国の関与があった日から30日以内)も頻出です。
具体例で考えよう
ケース①:是正の要求への不服
ある市が独自の条例を制定したところ、国から「法律に違反している」として是正の要求を受けたとします。市長は「この条例は適法だ」と考え、国地方係争処理委員会に審査の申出をしました。これは係争処理手続の典型例です。
ケース②:都道府県と市町村の対立
県が市町村に対して行った是正の勧告について、市町村長が納得できないとします。この場合、自治紛争処理委員による調停を申請することができます。これも係争処理手続の対象になります。
試験対策ポイント
「係争処理手続」は行政法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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