自治紛争処理委員
じちふんそうしょりいいん
ひとことで言うと
都道府県知事が任命し、地方公共団体間の紛争や国と地方の係争処理などを行う専門委員のこと。
くわしく解説
どんな役割を持つ人なの?
自治紛争処理委員とは、地方公共団体同士のトラブルや、国と地方公共団体の間で生じた争いを解決するために活動する専門家です。
ポイントは、「裁判所に行く前に、行政の世界で専門家が仲裁してくれる仕組み」という考え方にあります。
誰が任命するの?
自治紛争処理委員は、都道府県知事が任命します。ただし、事件ごとに任命される点が特徴的です。つまり、常設の機関ではなく、紛争が起きたときに初めて任命される仕組みになっています。
任命される人数は3人で、弁護士や学識経験者など、公正な判断ができる人が選ばれます。
どんな紛争を扱うの?
自治紛争処理委員が扱う主な紛争は次のとおりです。
①市町村間の境界に関する紛争があること。隣り合う市町村の境界線がはっきりしない場合などです。
②事務の共同処理に関する紛争があること。一部事務組合などで、どの団体がどこまで責任を持つかでもめた場合です。
③その他、地方公共団体間の協議が整わない場合があること。広域連携などで意見が対立した場合も対象になります。
国地方係争処理委員会との違いは?
似た名前の機関に「国地方係争処理委員会」があります。こちらは総務省に置かれる常設の機関で、国の関与に対して地方公共団体が不服を申し立てる場合に審査を行います。
一方、自治紛争処理委員は都道府県レベルで任命され、主に地方公共団体同士の紛争を扱います。混同しやすいので、「国vs地方」なら国地方係争処理委員会、「地方vs地方」なら自治紛争処理委員と覚えましょう。
試験で狙われるポイント
試験では、任命権者が都道府県知事であること、3人で構成されること、そして事件ごとに任命される非常設の仕組みであることが問われます。国地方係争処理委員会との違いも頻出です。
具体例で考えよう
ケース①:市町村の境界をめぐる争い
A市とB町の間で、山林の境界線がどこにあるか意見が分かれたとします。話し合いでは解決できなかったため、都道府県知事が自治紛争処理委員を任命し、調停を行うことになりました。これは自治紛争処理委員の典型的な活動場面です。
ケース②:一部事務組合での費用負担トラブル
C市とD村が共同でごみ処理施設を運営していましたが、費用の負担割合について協議が整わなくなったとします。この場合も、自治紛争処理委員による調停の対象になります。
試験対策ポイント
「自治紛争処理委員」は行政法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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