侵害留保説
しんがいりゅうほせつ
ひとことで言うと
法律の根拠が必要なのは、国民の権利や自由を「侵害する」行政活動に限られるという考え方のこと。
くわしく解説
なぜ「侵害」だけなの?
まず、行政が何かをするとき、すべてに法律の根拠が必要なのでしょうか?この問いに対する一つの答えが侵害留保説です。
この説のポイントは、「国民の権利や自由を制限する活動だけは、必ず法律の根拠が必要だ」という考え方にあります。逆に言えば、補助金を出したり、サービスを提供したりする授益的な行政活動には、法律の根拠がなくてもよいとするのです。
どうしてこの考え方が生まれたの?
歴史的な背景があります。かつてのドイツでは、国王が強い権限を持っていました。そこで、「せめて国民の権利を侵害するときだけは、議会が作った法律に基づいてほしい」という要請が生まれたのです。
つまり、侵害留保説は自由主義・立憲主義の考え方に根ざしています。国家権力から国民を守るための最低限のルールとして発展しました。
他の学説との違いは?
法律による行政の原理をどこまで徹底するかで、いくつかの学説があります。
①侵害留保説:権利を侵害する活動だけに法律の根拠が必要。
②全部留保説:すべての行政活動に法律の根拠が必要。
③権力留保説:権力的な活動(命令・強制など)に法律の根拠が必要。
④社会留保説(給付留保説):侵害活動に加え、重要な給付行政にも法律の根拠が必要。
現在の日本では、侵害留保説をベースにしつつも、重要事項には法律の根拠を求める考え方が有力です。
試験ではここが狙われる!
行政書士試験では、侵害留保説の内容と他の学説との違いがよく問われます。特に「法律の留保」という概念の中で、どの範囲まで法律の根拠を要求するかを整理しておきましょう。侵害留保説は通説・判例の立場とされている点も押さえておくと安心です。
試験対策ポイント
「侵害留保説」は行政法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
関連用語
📱 アプリのご紹介
スマホアプリで、いつでもどこでも。行政書士合格を、スキマ時間で。
行政書士試験学習には必須の判例のわかりやすい解説から科目別テキスト、過去問演習、択一演習をスマホでまとめて持ち歩ける学習アプリです。通勤・休憩中に1問だけでも。独学でも仕事と両立しながら、合格を目指せます。