併存的債務引受
へいそんてきさいむひきうけ
ひとことで言うと
債務者の債務を消滅させずに、新たに引受人も同じ債務を負担する形態。債権者にとっては債務者が増えて二重の保障となること。
くわしく解説
そもそも何が違うの?「免責的債務引受」との違い
まず、似た言葉の免責的債務引受と混同しないようにしましょう。
免責的債務引受は、元の債務者が債務から完全に解放され、引受人だけが債務を負うことになります。一方、併存的債務引受は、元の債務者の債務はそのまま残り、それに加えて引受人も同じ債務を負うことになります。
併存的債務引受のポイントは、「債権者の立場が強化される。債務者が2人に増えるから」という考え方にあります。
なぜこんな制度があるの?
債権者にとって、債務者が増えることは大きなメリットです。たとえば、元の債務者の財産状態が悪化しても、引受人から回収できる可能性が残ります。
また、引受人にとっても、元の債務者との関係(親子関係、事業承継など)で債務を肩代わりしたい事情があるケースで活用されます。
成立するための条件は?
①債権者と引受人の契約、または②債務者と引受人の契約+債権者の承諾のいずれかが必要です。
②の場合、債権者の承諾がなければ効力は生じません。これは、債権者の利益に関わる重要な変更だからです。
試験での注意ポイント
併存的債務引受後、元の債務者と引受人は連帯債務に似た関係になりますが、厳密には異なります。引受人は元の債務者の保証人のような立場になる場合もあり、契約内容によって法律関係が変わる点に注意しましょう。
具体例で考えよう
ケース①:親子で事業を引き継ぐ場合
父親が銀行から3000万円を借りて事業を営んでいましたが、高齢のため息子に事業を譲ることにしました。銀行との交渉の結果、父親の債務はそのまま残し、息子も同じ3000万円の債務を負うことで合意しました。これは併存的債務引受にあたります。銀行は父親と息子のどちらにでも返済を請求できるようになります。
ケース②:会社の信用補強
A社がB銀行から融資を受ける際、B銀行がA社の財務状態に不安を感じました。そこでA社の親会社であるC社が、A社の債務について併存的債務引受をすることで合意しました。これによりB銀行は、A社とC社の両方に対して返済を求めることができ、融資の安全性が高まりました。
試験対策ポイント
「併存的債務引受」は民法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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