会社不成立の場合の責任
かいしゃふせいりつのばあいのせきにん
ひとことで言うと
会社の設立手続きが途中で頓挫し、会社が成立しなかった場合に、発起人が連帯して負う責任のこと。
くわしく解説
会社が設立できなかったら、誰が責任を負うの?
会社を作ろうとして準備を進めたものの、結局会社が成立しなかった場合、設立のために使ったお金は誰が負担するのでしょうか?
発起人全員が連帯して責任を負います。これが会社不成立の場合の責任です(会社法56条)。
なぜこんな責任があるの?
会社設立の準備段階では、事務所を借りたり、備品を買ったり、様々な費用が発生します。しかし、まだ会社は存在していないため、会社自身が責任を負うことはできません。
そこで法律は、「会社を作ろうと動いた発起人たちが責任を負うべきだ」と考えました。発起人は会社設立という利益を得ようとした当事者なので、失敗したときのリスクも負担するのが公平だという理屈です。
責任の範囲は?
発起人は連帯して責任を負います。つまり、債権者は発起人の誰に対しても全額請求できるということです。
対象となるのは、設立に関して発起人が行った行為によって生じた債務と、設立に関する費用です。
試験での注意点
発起人の責任は「連帯責任」であることがポイントです。発起人の一人だけが全額支払わされる可能性もあります(後で他の発起人に求償はできますが)。
具体例で考えよう
ケース①:事務所賃貸借契約を締結したが設立に失敗
3人の発起人が株式会社の設立準備を進め、会社の事務所として月額30万円の物件を賃借する契約を結びました。しかし、資金調達がうまくいかず、結局会社は成立しませんでした。この場合、発起人3人は連帯して賃貸借契約に基づく債務(家賃や原状回復費用など)を負担することになります。
ケース②:設立登記前に備品を購入
発起人が会社設立の準備としてパソコンや事務機器を100万円分購入しましたが、定款の認証後に発起人間で意見が対立し、設立手続きを中止しました。この購入代金100万円は、発起人全員が連帯して支払う責任を負います。債権者は発起人の誰か一人に全額請求することもできます。
試験対策ポイント
「会社不成立の場合の責任」は商法・基礎の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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