仲裁
ちゅうさい
ひとことで言うと
裁判所を使わず、当事者が選んだ第三者(仲裁人)に紛争の判断を任せ、その判断に従うことを約束する紛争解決制度のこと。
くわしく解説
そもそも何が違うの?「裁判」や「調停」との違い
まず、似た言葉との違いを整理しましょう。
裁判は、国の裁判所が判断を下す公的な制度です。一方、仲裁は、当事者が選んだ民間の専門家(仲裁人)が判断を下す私的な制度です。
また調停は、第三者が間に入って話し合いを促すものですが、最終的に合意するかどうかは当事者の自由です。しかし仲裁では、仲裁人の判断(仲裁判断)に裁判の判決と同じ効力があり、当事者は必ず従わなければなりません。
仲裁のポイントは、「裁判所は使わない。でも判断には裁判と同じ強制力がある」という点にあります。
なぜ仲裁が使われるの?
仲裁には大きなメリットがあります。
①専門性の高さ:建築紛争なら建築の専門家、国際取引なら国際商取引の専門家など、その分野に詳しい人を仲裁人に選べます。
②非公開性:裁判は原則公開ですが、仲裁は非公開で行えるため、企業秘密を守りたい商取引紛争などでよく使われます。
③迅速性:裁判よりも手続が柔軟で、早期解決が期待できます。
仲裁が成立するための条件は?
①仲裁合意があること。当事者間で「この紛争は仲裁で解決する」という約束(書面による合意)が必要です。
②仲裁可能な事項であること。すべての紛争が仲裁できるわけではなく、主に財産上の紛争に限られます。
仲裁は**裁判外の紛争処理(ADR)**の代表例として、試験でもよく出題されます。
具体例で考えよう
ケース①:国際取引のトラブル
日本企業とアメリカ企業が取引契約を結ぶ際、「紛争が起きたら国際商業会議所(ICC)の仲裁で解決する」という条項を入れたとします。その後実際にトラブルが発生し、仲裁人が「日本企業は100万ドル支払え」と判断しました。この仲裁判断は裁判の判決と同じ効力を持ち、日本企業は必ず従わなければなりません。これは仲裁の典型例です。
ケース②:建築紛争の解決
マンション建設で欠陥が見つかり、発注者と建設会社が対立したとします。両者は建築の専門家3名を仲裁人として選び、技術的な判断を任せることにしました。仲裁人が「建設会社は修補費用500万円を負担すべき」と判断すれば、その判断には強制力があり、裁判所で争うことはできません。これも仲裁による紛争解決の例です。
試験対策ポイント
「仲裁」は商法・基礎の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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