令状主義
れいじょうしゅぎ
ひとことで言うと
逮捕や捜索などの強制的な処分を行うには、原則として裁判官が発する令状が必要だとする原則のこと。
くわしく解説
令状主義とは何か?
令状主義とは、警察などが逮捕や捜索・押収といった強制的な処分を行うときには、原則として裁判官が発する令状がなければならないという憲法上の原則です。
憲法33条(逮捕)と35条(捜索・押収)に規定されています。権力者が勝手に人を捕まえたり、家に押し入って物を奪い取ったりできてしまったら、私たちの自由は簡単に奪われてしまいます。そこで、公正中立な裁判官のチェックを入れることで、人身の自由を守っているのです。
なぜ裁判官の令状が必要なの?
ポイントは、行政機関(警察など)に任せきりにしないという考え方にあります。
警察は犯罪を取り締まる立場なので、どうしても「捕まえたい」「証拠を押さえたい」という意識が強くなりがちです。そこで、捜査機関とは独立した裁判官が、本当に逮捕や捜索の必要があるかを事前に審査することで、権力の濫用を防いでいるのです。
例外はあるの?
原則は令状が必要ですが、例外もあります。
①現行犯逮捕の場合は、令状なしで逮捕できます。犯行の現場を目撃されているなど、明白な場合には迅速な対応が必要だからです。
②緊急逮捕という制度もあります。重大な犯罪で、逮捕の理由があるのに令状を求める時間的余裕がない場合、事後的に令状を取得することを条件に、令状なしで逮捕できます。
これらの例外も、令状主義の趣旨を損なわない範囲で認められています。
具体例で考えよう
ケース①:警察の家宅捜索
ある殺人事件の容疑者の自宅を捜索したいと警察が考えたとします。しかし、警察官が勝手に家に入って証拠を探すことはできません。まず警察は裁判官に「この容疑者の家を捜索する必要があります」と申請し、裁判官が審査して捜索令状を発付して初めて、捜索できるようになります。これが令状主義の典型例です。
ケース②:現行犯逮捕
コンビニで万引きをしている人を店員が取り押さえた場合を考えてみましょう。この場合、犯行が目の前で行われているため、令状なしで逮捕することができます。これは現行犯逮捕という令状主義の例外にあたります。
試験対策ポイント
「令状主義」は憲法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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