代理行為の瑕疵
だいりこういのかし
ひとことで言うと
代理人が代理行為をする際に、意思表示に関する瑕疵(錯誤・詐欺・強迫など)があった場合、その判断を代理人を基準にするか本人を基準にするかを定めたルールのこと。
くわしく解説
代理行為の瑕疵とは何か?
代理人が契約などの代理行為をするとき、もし錯誤(勘違い)や詐欺、強迫といった問題があった場合、誰を基準に判断すべきでしょうか?これが代理行為の瑕疵の問題です。
民法101条は、「代理人の意思表示について、相手方が代理人に対してした意思表示について」のいずれも、代理人を基準として判断すると定めています。
つまり、代理人が騙されたのか、本人が騙されたのか。代理人が勘違いしていたのか、本人が勘違いしていたのか。これによって結論が変わるのです。
なぜ代理人を基準にするの?
ポイントは、「実際に意思表示をしたのは代理人だ」という考え方にあります。
契約の相手方は代理人と向き合って交渉しています。ですから、錯誤や詐欺・強迫といった意思表示の問題も、実際に表示行為をした代理人を基準に判断するのが公平だというわけです。
ただし例外もある!
民法101条には但し書きがあります。「本人の指図によるとき」は、本人を基準に判断されます。
たとえば、本人が「この土地を500万円で売れ」と具体的に指示していた場合、代理人に錯誤があっても、本人の指図に錯誤がなければ取り消せません。本人が自分で判断した部分については、本人に責任を負わせるべきだからです。
試験での頻出ポイント
「代理人基準が原則、本人の指図があれば本人基準」という原則と例外の使い分けがよく問われます。誰を基準に判断するかで、取消しの可否が変わることを押さえましょう。
具体例で考えよう
ケース①:代理人が騙された場合
AさんがBさんに土地の売却を代理させたところ、買主CがBに「この土地は将来確実に値上がりする」と嘘をついて契約させたとします。この場合、実際に騙されたのは代理人Bですから、Bを基準に詐欺による取消しができます。本人Aが騙されていなくても関係ありません。
ケース②:本人の指図がある場合
Aさんが「800万円で売れ」と具体的に指示してBに代理させたところ、Bが「900万円が相場だ」と勘違いして800万円で売ってしまったとします。この場合、代理人Bには錯誤がありますが、本人Aの指図には錯誤がないため、錯誤を理由とする取消しはできません。
試験対策ポイント
「代理行為の瑕疵」は民法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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