代理権消滅後の表見代理
だいりけんしょうめつごのひょうけんだいり
ひとことで言うと
代理権が消滅した後も、過去に代理権があったという外観を信頼した相手方を保護するための制度のこと。
くわしく解説
どんな制度なの?
代理権消滅後の表見代理は、かつて代理権があった人が、代理権が消滅した後も代理行為をしてしまった場合に、それを信じた相手方を保護する制度です(民法112条)。
ポイントは、「以前は本当に代理人だった。だから今も代理権があると思うのは無理もない」という考え方にあります。
なぜ保護されるの?
たとえば、あなたが長年取引してきた会社の担当者が、実は昨日代理権を失っていたとしても、そんなこと普通は知りません。以前と同じように代理人として振る舞っていれば、代理権があると信じるのは当然です。
このような正当な信頼を保護しないと、取引の安全が守れません。
成立するための3つの条件
①代理権が消滅したこと。かつては本当に代理権があったが、解任や辞任、本人の死亡などで消滅した場合です。
②相手方が代理権があると信じたこと。代理権が今も存在すると相手方が信じていなければなりません。
③相手方に正当な理由があること。単なる思い込みではなく、信じることに無理のない事情が必要です。過去の代理関係を知っていた場合などが典型です。
試験で問われるポイント
**109条(代理権授与表示)や110条(権限外の行為)**と組み合わせて出題されることがあります。どの条文が適用されるかは、代理権の有無や権限の範囲によって変わるので、整理しておきましょう。
具体例で考えよう
ケース①:解任された元代理人
Aさんは長年Bさんを代理人として不動産取引を任せていましたが、先月Bさんを解任しました。しかしCさんは、Bさんが以前Aさんの代理人だったことを知っており、今回もBさんが代理人として土地売買契約を結んだと信じて契約しました。この場合、Cさんに正当な理由があれば、代理権消滅後の表見代理が成立し、Aさんは契約の効果を受けることになります。
ケース②:本人が死亡した場合
DさんはEさんに会社の取引を任せていましたが、Dさんが突然亡くなりました。その事実を知らないFさんは、Eさんが今も代理権を持っていると信じて契約を結びました。本人の死亡により代理権は消滅しますが、Fさんが死亡の事実を知らず、信じたことに正当な理由があれば、表見代理が成立する可能性があります。
試験対策ポイント
「代理権消滅後の表見代理」は民法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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