ロゴ行政書士になる子ちゃん
行政法行政事件訴訟法

事情判決

じじょうはんけつ

📌

ひとことで言うと

取消訴訟で処分が違法でも、取り消すと公共の福祉に著しい障害が生じる場合に、請求を棄却しつつ違法を宣言する判決のこと。

なる子ちゃん

くわしく解説

どんな場面で使われるの?

たとえば、ある土地収用処分が違法だったとします。でも、その土地にはすでに高速道路が完成していて、多くの人が毎日利用している。この処分を取り消すと、道路を壊さなければならず、社会全体に大混乱が起きてしまいます。

こんなとき、「処分は違法だけど、取り消すわけにはいかない」というジレンマが生じます。事情判決は、まさにこの問題を解決するための制度です。


事情判決の仕組みは?

行政事件訴訟法31条に規定されています。

裁判所は、処分が違法であっても、次の条件を満たす場合には請求を棄却できます。

①処分を取り消すと公共の福祉に著しい障害が生じること。

②原告が受ける損害の程度、その損害の賠償・防止の方法その他一切の事情を考慮したうえで、取消しが公共の福祉に適合しないと認められること。

ただし、単に請求を棄却するだけではありません。判決の主文で処分が違法であることを宣言しなければなりません。これが事情判決の大きな特徴です。


なぜ違法宣言が必要なの?

ポイントは「原告の権利救済を完全に無視しない」という考え方にあります。

処分が違法なのに、ただ請求を棄却するだけでは、原告は泣き寝入りになってしまいます。そこで、違法であることを公に宣言することで、原告が別途損害賠償請求をする道を開いているのです。


試験で狙われるポイントは?

事情判決と事情裁決(行政不服審査法46条)の違いを押さえましょう。どちらも「違法だけど取り消さない」という点では同じですが、事情判決は裁判所が行い、事情裁決は審査庁が行うという違いがあります。

また、事情判決では主文で違法を宣言する義務がありますが、事情裁決にはこの規定がない点も頻出です。

なる子ちゃん

具体例で考えよう

ケース①:完成した公共施設

ある市が土地を収用して大きな公立病院を建設したとします。しかし、収用手続に違法があったことが裁判で明らかになりました。でも、すでに病院は完成し、多くの患者が治療を受けています。この場合、裁判所は事情判決により、違法を宣言しつつも収用処分の取消請求を棄却することがあります。

ケース②:ダム建設の事例

ダム建設のための土地収用処分に違法があったとします。しかし、ダムはすでに完成し、下流域の洪水防止に不可欠な存在になっています。取り消すと地域住民の安全が脅かされるため、事情判決の対象になりえます。

試験対策ポイント

事情判決」は行政法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。

📱 アプリのご紹介

行政書士になる子ちゃん

スマホアプリで、いつでもどこでも。行政書士合格を、スキマ時間で。

行政書士試験学習には必須の判例のわかりやすい解説から科目別テキスト、過去問演習、択一演習をスマホでまとめて持ち歩ける学習アプリです。通勤・休憩中に1問だけでも。独学でも仕事と両立しながら、合格を目指せます。

App Storeで無料ダウンロード