A民法総則(意思表示・代理・時効等)
無権代理人を相続した者が後に本人を相続
最高裁判所1988-03-01
無権代理相続追認拒絶本人の地位当然有効
無権代理人→本人と二段階相続で追認拒絶不可
図解でわかる

事案の概要
ある人が代理権なく本人の代理人として契約をした(無権代理)。その後、まず無権代理人が亡くなり、相続人Aがその地位を引き継ぎました。さらにその後、本人も亡くなり、同じ相続人Aが本人の地位も引き継ぎました。このとき、Aは本人の立場として無権代理行為を追認拒絶できるかが争われました。
争点
無権代理人(本人から代理権を与えられていないのに代理人として行動した人)を相続した者が、後に本人も相続した場合、本人の立場として無権代理行為の追認(有効と認めること)を拒否できるか?
判旨
無権代理人を本人と共に相続し、さらにその後で本人の地位も引き継いだ者は、無権代理行為の追認を拒否する余地がない。なぜなら、その者が無権代理行為と本人の地位を一身に引き受けることになるため、本人が自分で行った法律行為と同じ効果が当然に生じると解されるからである。
関連法令の解説
民法113条1項(無権代理の追認)に関連します。無権代理行為は本人が追認しない限り無効ですが、無権代理人を相続した者が後に本人も相続した場合の追認拒絶の可否が問題となります。
身近な例え
友達が勝手に借りた本を、まず友達の持ち物を相続し、後から本の持ち主の立場も相続したら、もう「返さない」とは言えないようなものです。
ざっくりまとめ
要するに、無権代理人を相続した人が後から本人も相続したら、もう追認拒絶できず、無権代理行為は当然に有効になっちゃうってこと!
試験対策ポイント
【試験最重要ポイント】 ①無権代理人を相続→本人を相続の「二段階相続」の場合 ②結論:追認拒絶できない(無権代理行為は当然有効) ③理由:無権代理行為と本人の地位を一身に引き受けることになり、本人が自ら行った法律行為と同じ効果が生じる ④逆パターン(本人相続→無権代理人相続)との違いに注意 ⑤共同相続の段階では追認拒絶可能だが、単独で両方の地位を承継すると拒絶不可
関連法令
民法113条1項
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