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S民法総則(意思表示・代理・時効等)

無権代理人が本人を単独相続

最高裁判所1965-06-18最判昭40.6.18
無権代理単独相続資格の融合追認拒絶不可当然有効民法113条民法896条

無権代理人が本人を単独相続したら資格が融合!無権代理行為は当然に有効になる

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なる子ちゃん

事案の概要

息子B(無権代理人)が父親A(本人)から代理権を与えられていないにもかかわらず、AがX(相手方)に土地を売却する契約をAの代理人として締結した(無権代理行為)。その後、本人Aが死亡し、無権代理人Bが単独で相続した。BはAの一切の権利義務を引き継いだことで追認権も取得したが、追認を拒絶できるかどうかが争われた。
争点

争点

無権代理人が本人を単独で相続した場合に、相続によって本人の地位を取得した無権代理人が追認を拒絶できるか、また無権代理行為は当然に有効となるかどうかが争点です。
判旨

判旨

無権代理人が本人を相続し、本人と代理人との資格が同一人に帰するに至った場合には、本人が自ら法律行為をしたのと同様な法律上の地位を生じたものと解するのが相当です。したがって、無権代理行為は当然に有効となり、追認拒絶は認められません。
【原文】

 無権代理人が本人を相続し、本人と代理人との資格が同一人に帰するにいたつた場合には、本人がみずから法律行為をしたのと同様な法律上の地位を生じたものと解するのが相当である。
判決

判決

無権代理人が本人を単独相続した場合、資格が融合して無権代理行為は当然に有効となる。追認拒絶は認められない。
関連法令の解説

関連法令の解説

民法113条1項(無権代理)
この条文は「代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、本人がその追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない」と定めています。本判例では、無権代理人が本人を相続することによって本人・代理人の資格が同一人に帰した場合には、もはや追認の問題を論じる余地がなく、無権代理行為は当然に有効な法律行為となると判示されました。

民法896条(相続の一般的効力)

この条文は相続人が被相続人の一切の権利義務を包括的に承継すると定めています。本判例では、無権代理人が本人を相続することによって追認権を含む本人の一切の地位を承継したことを前提として、資格融合の論理が展開されました。
身近な例え

身近な例え

自分が勝手に親の名前で契約して、後から親の財産を全部相続したのに「やっぱりその契約なし!」と言うのはズルいよね、というイメージです。
なる子ちゃん

ざっくりまとめ

無権代理行為は本来、本人が追認しないと効力を生じないんだよ。でもこの事件では無権代理人Bが本人Aを相続するという特殊な状況が生じたんだ。
相続によってBは本人Aの一切の権利義務を引き継ぐから、追認権もBの手元に来る。

でも「自分が自分でやった無権代理行為を、自分が追認拒絶する」というのはおかしな話だよね。

だから本人と無権代理人の地位が同一人物に統合(資格の融合)されて、本人が自ら法律行為をしたのと同様の法律上の地位が生じると判断されたんだよ。つまり無権代理行為は当然に有効になるんだ。

試験対策ポイント

無権代理人が本人を単独相続した場合:資格の融合により無権代理行為は当然に有効
本人が無権代理人を相続した場合との対比:本人は追認拒絶ができる(信義則に反しない)ただし無権代理人の損害賠償責任は相続する(最判昭37.4.20)

共同相続の場合:他の相続人全員が追認しなければ無権代理行為は有効とならない

注意:本人が無権代理人を相続した場合と本問(無権代理人が本人を相続した場合)を逆にしないこと。結論が正反対になる

相続後に資格が融合するかどうかが判断の核心
法令

関連法令

試験

出題年度

20162022
関連判例

関連判例

民法最高裁判所

無権代理人を相続した者が後に本人を相続

各相続パターンの結論を一覧で整理すること: 本人が無権代理人を相続:追認拒絶できる(最判昭37.4.20) 無権代理人が本人を相続:当然有効、拒絶できない(最判昭40.6.18) 無権代理人を先に相続し、後に本人も相続:当然有効、拒絶できない(本判決) 本人と無権代理人を共同相続:他の相続人全員の追認がない限り有効にならない(最判平5.1.21) 「誰が先に死んで、誰が何を相続したか」を図で時系列に整理することが理解の近道。本件のCは①無権代理人B→②本人Aの順で相続しているため、「無権代理人が本人を相続した」のと同視されて拒絶できない。

民法最高裁判所

被相続人からの譲受人と相続人からの譲受人

相続人自身は被相続人の包括承継人であり民法177条の「第三者」にはあたらない しかし、相続人からの譲受人(第三者)は民法177条の「第三者」にあたる 被相続人からの譲受人と相続人からの譲受人は対抗関係に立ち、先に登記を備えた方が勝つ この結論は被相続人と相続人の間が贈与・売買・遺贈・死因贈与のいずれの場合にも同様に妥当する 注意:「相続人は第三者にならない=登記不要」という誤解が典型的なひっかけ問題になりやすい

民法最高裁判所

詐術の場合の取消権の否定

相続人自身は被相続人の包括承継人であり民法177条の「第三者」にはあたらない しかし、相続人からの譲受人(第三者)は民法177条の「第三者」にあたる 被相続人からの譲受人と相続人からの譲受人は対抗関係に立ち、先に登記を備えた方が勝つ この結論は被相続人と相続人の間が贈与・売買・遺贈・死因贈与のいずれの場合にも同様に妥当する 注意:「相続人は第三者にならない=登記不要」という誤解が典型的なひっかけ問題になりやすい

民法最高裁判所

本人が無権代理人を相続

本人が無権代理人を相続した場合:追認拒絶できる・当然有効にならない(本判決) 無権代理人が本人を相続した場合:追認拒絶できない・当然有効になる(最判昭40.6.18) この2パターンの対比が試験の最頻出ひっかけ。「誰が誰を相続したか」を図で整理すること 注意:本人が追認を拒絶できても、無権代理人の損害賠償責任(民法117条)は相続して引き継ぐため、相手方Xからの損害賠償請求は拒絶できない(最判昭48.7.3) 本判決は「建物引渡所有権移転登記手続等請求」事件であり、参照法条は民法117条

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