B民法債権各論(契約・不法行為等)
保証人の原状回復義務
最高裁判所1965-06-30
保証人原状回復義務契約解除債務不履行特定物売買
保証人は解除後の義務も負う
図解でわかる

事案の概要
ある売買契約で、売主のために保証人が付きました。ところが売主が契約どおりに義務を果たさなかったため、買主は契約を解除しました。契約が解除されると、売主には受け取った代金を返す原状回復義務が生じます。この事件では、保証人がこの原状回復義務についても責任を負うのかが争われました。
争点
売買契約が売主の債務不履行(約束どおりに義務を果たさないこと)を理由に解除(契約をなかったことにすること)された場合、売主の保証人(売主の代わりに責任を負う人)は、売主が負う原状回復義務(契約前の状態に戻す義務)についても責任を負うのか?
判旨
特定の物の売買において売主のために保証をした人は、契約から直接生じる売主の債務だけでなく、売主が債務不履行を起こしたことによって新たに発生する義務についても責任を負う趣旨と考えられる。そのため、特別な取り決めがない限り、売主の債務不履行による契約解除後に生じる原状回復義務についても、保証人は責任を負う。
関連法令の解説
民法545条1項の契約解除に伴う原状回復義務に関する判例です。保証契約の範囲、つまり保証人がどこまで責任を負うのかという保証債務の範囲が争点となりました。
身近な例え
友人の借金の保証人になったら、友人が約束を破って契約が白紙になった時の「元に戻す費用」まで責任を負うようなものです。
ざっくりまとめ
要するに、保証人は契約から直接生まれる債務だけでなく、売主の債務不履行で契約解除された後の原状回復義務についても責任を負うってこと!
試験対策ポイント
【試験での重要ポイント】 ①保証人の責任範囲は、契約から直接生じる債務に限らない ②売主の債務不履行による解除後の原状回復義務も、保証債務に含まれる ③理由:保証人は債務不履行によって新たに発生する義務についても責任を負う趣旨と解される ④特約がない限り、保証人は原状回復義務を負う ⑤保証債務の付従性との関係で、主たる債務の変容に保証も追随する
関連法令
民法545条1項
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