遡及処罰の禁止
そきゅうしょばつのきんし
ひとことで言うと
ある行為をした後に、その行為を罰する新しい法律ができたとしても、遡ってその法律を適用して罰することは許さない、という原則のこと。
くわしく解説
遡及処罰の禁止って、一体何のこと?
みなさん、こんにちは!行政書士試験のカリスマ講師です。今回は「遡及処罰の禁止」という、人身の自由に関わる大切なルールについて、初学者の方にもバッチリわかるように解説していきますよ!
一言で言うと、「後出しじゃんけん、ダメ!絶対!」という原則です。
どういうことかというと、私たちが何か行動をしたとします。その行動をした時点では、何の法律にも違反していなかったとしますよね。でも、その後に「実はあの行為は犯罪だった!」という新しい法律ができて、その法律を過去に遡って適用して、私たちを罰する…なんてことがあったら、どう思いますか?
「え!?そんなのありえないでしょ!」って思いますよね。まさにその「ありえない!」を禁止するのが、この遡及処罰の禁止なんです。
なぜこんなルールが必要なの?
このルールがないと、私たちは安心して生活できません。
① 法的安定性の確保 いつどんな行為が犯罪になるかわからなければ、誰もが不安になってしまいます。この原則があることで、私たちは「今この行動は法律上問題ない」という安心感を持って生活できます。
② 予測可能性の保障 法律は、私たちが将来の行動を予測し、計画を立てるための羅針盤のようなものです。遡及処罰が許されると、この予測可能性が失われてしまいます。
憲法ではどう定められているの?
日本国憲法第39条には、「何人も、実行の時に適法であった行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。」と明記されています。この前半部分が、まさに遡及処罰の禁止を定めたものです。
これは、罪刑法定主義という大きな原則の一部でもあります。「どんな行為が犯罪で、どんな刑罰が科されるのかは、あらかじめ法律で明確に定めておかなければならない」という、近代刑法の基本中の基本なんですね。
まとめ
遡及処罰の禁止とは、過去の行為に対して、後からできた法律を遡って適用し、罰することを許さないという、国民の自由と権利を守るための非常に重要なルールなんです。これをしっかり理解して、行政書士試験に臨んでいきましょう!
具体例で考えよう
ケース①:新しい法律で取り締まられる?
あなたが昨日、友人と公園でフリスビーをして遊んだとします。その行為は、昨日時点では何の法律にも違反していませんでした。しかし、今日になって「公園でのフリスビーは、環境破壊につながるため、昨日から禁止する」という新しい法律が制定されたとします。この場合、あなたを昨日のフリスビー行為で罰することはできません。なぜなら、行為をした時点では適法だったからです。
ケース②:刑事事件での遡及処罰
ある人が10年前に、当時合法だったある事業を行っていたとします。しかし、最近になって「その事業は公衆衛生に深刻な影響を与えるため、10年前から禁止されていたことにする」という法律が作られ、この人に対して刑事罰を科そうとしたとします。これも、遡及処罰の禁止に反するため許されません。行為時に適法であった以上、後から法律を作って遡って罰することはできないのです。
試験対策ポイント
「遡及処罰の禁止」は憲法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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