被害者側の過失
ひがいしゃがわのかしつ
ひとことで言うと
不法行為が起きた際、被害者側にも落ち度があった場合に、その過失の程度に応じて損害賠償額を減らす仕組みのこと。
くわしく解説
被害者にも落ち度があるときはどうなるの?
不法行為で損害が発生したとき、加害者だけでなく**被害者側にも過失(落ち度)**があることがあります。たとえば、交通事故で被害者が急に飛び出してきた場合などです。
このようなケースで、加害者に全額賠償させるのは不公平ですよね。そこで民法722条2項は、「被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる」と規定しています。
「過失相殺」との違いは?
実は過失相殺と被害者側の過失は密接に関連しています。過失相殺は、被害者自身の過失を考慮する制度ですが、被害者側の過失は、被害者本人だけでなく、被害者と一定の関係にある人の過失も含めるという考え方です。
たとえば、幼い子どもが事故に遭った場合、子ども本人に過失を問うのは難しいですが、親の監督不十分という過失があれば、それを「被害者側の過失」として考慮できます。
どんな人の過失が「被害者側」に含まれるの?
判例では、①被害者と身分上・生活関係上一体をなす関係にある者の過失が考慮されます。具体的には、親子、夫婦などです。単なる友人や同僚は含まれません。
ポイントは、「被害者と一体的な関係にある人の過失まで考慮することで、公平な損害の分担を実現する」という考え方にあります。
試験での頻出ポイント
幼児の事故における親の監督義務違反が、被害者側の過失として認められるかどうかは頻出テーマです。被害者本人と「一体をなす関係」という要件をしっかり押さえましょう。
具体例で考えよう
ケース①:子どもの飛び出し事故
5歳の子どもが道路に急に飛び出して車にはねられたとします。子ども本人に過失を問うのは難しいですが、親が目を離していたという監督義務違反があった場合、親の過失が「被害者側の過失」として考慮され、損害賠償額が減額されることがあります。これは被害者側の過失が認められる典型例です。
ケース②:夫婦での事故
夫が運転する車に妻が同乗中、第三者の車に追突されて妻が怪我をしたとします。夫の運転にも過失(脇見運転など)があった場合、夫婦は生活上一体的な関係にあるため、夫の過失が「被害者側の過失」として考慮され、妻が受け取る損害賠償額が減額される可能性があります。
試験対策ポイント
「被害者側の過失」は民法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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