過失相殺
かしつそうさい
ひとことで言うと
債務不履行や不法行為によって損害が発生した際、被害者側にも落ち度(過失)があった場合に、その過失の割合に応じて損害賠償額を減額する制度のこと。
くわしく解説
過失相殺とは何か?
過失相殺は、被害者側にも落ち度があった場合に、その過失の程度に応じて賠償額を減らす仕組みです。
例えば、交通事故で相手が悪いのは確かだけれど、あなたも脇見運転をしていた――こんなとき、「相手が100%悪い」として全額請求するのは公平ではありません。被害者側の過失も考慮して、公平な賠償額を決めるのが過失相殺の本質です。
どこに規定があるの?
民法418条(債務不履行の場合)と民法722条2項(不法行為の場合)に規定されています。どちらも「被害者に過失があったときは、裁判所は損害賠償の額を定めるについて、これを考慮することができる」と定めています。
必ず減額されるの?
条文上は「考慮することができる」となっており、裁判所の裁量に委ねられています。ただし実務では、被害者側に過失があればほぼ必ず考慮されると考えてよいでしょう。
「被害者側の過失」とは?
重要なのは、被害者本人だけでなく、被害者と身分上・生活関係上一体とみられる者の過失も含まれる点です。例えば、交通事故で子どもが被害者の場合、親の監督不十分も「被害者側の過失」として考慮されます。
試験で狙われるポイント
過失相殺は、債務不履行にも不法行為にも適用されます。また、被害者側の過失の範囲(家族など一体的関係者を含む)は頻出論点です。
具体例で考えよう
ケース①:交通事故での過失相殺
Aさんの車とBさんの車が衝突し、Aさんが100万円の損害を受けました。しかし、Aさんも脇見運転をしていたことが判明し、過失割合がA:B=3:7と認定されたとします。この場合、Aさんが請求できる賠償額は70万円に減額されます。これが過失相殺です。
ケース②:監督義務者の過失
5歳の子どもが道路に飛び出し、車にはねられて怪我をしました。運転手に過失はありましたが、親が子どもから目を離していたという事情もあります。この場合、親の監督不十分が「被害者側の過失」として考慮され、賠償額が減額される可能性があります。
試験対策ポイント
「過失相殺」は民法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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