監督者責任
かんとくしゃせきにん
ひとことで言うと
責任無能力者を監督する法定の義務を負う者が、その者が第三者に加えた損害を賠償する責任のこと。
くわしく解説
監督者責任とは何か?
監督者責任は、未成年者や精神障害者など、責任能力のない人(責任無能力者)が他人に損害を与えたときに、その人を監督する義務のある者が代わりに賠償責任を負う制度です(民法714条)。
なぜこの制度が必要なの?
責任無能力者本人は、物事の善悪を判断する能力がないため、不法行為責任を負いません。しかし、被害者を救済しないのは不公平です。そこで、**「監督する立場にある人が責任を負うべきだ」**という考え方から、この制度が設けられました。
責任を負うための条件は?
①責任無能力者が加害行為をしたこと。未成年者や精神障害により責任能力を欠く者が該当します。
②法定の監督義務者であること。親権者や成年後見人など、法律上監督する義務を負う者です。
③監督義務を怠らなかったことの証明ができないこと。監督者は、**「監督を怠らなかった」または「監督を怠っても損害が生じた」**ことを証明できれば免責されます。つまり、立証責任が監督者側にある点が重要です。
試験での頻出ポイント
監督者が免責されるには自ら証明が必要という点、また監督義務者に代わって監督する者(代理監督者)も責任を負う点がよく問われます。
具体例で考えよう
ケース①:7歳の子どもが友達にケガをさせた
7歳のA君が公園で遊んでいたところ、友達のB君を突き飛ばして骨折させてしまいました。A君はまだ責任能力がないため、不法行為責任を負いません。しかし、親権者である両親が監督義務を怠らなかったことを証明できない限り、両親が監督者責任として損害賠償義務を負うことになります。
ケース②:認知症の母が他人の車を傷つけた
認知症で成年後見人が付いている母親が、判断能力を欠く状態で近所の車に傷をつけてしまいました。母親本人は責任無能力者として賠償責任を負いませんが、成年後見人である子が法定の監督義務者として、監督義務を怠らなかったことを証明できない限り、監督者責任を負います。
試験対策ポイント
「監督者責任」は民法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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