特定物債権
とくていぶつさいけん
ひとことで言うと
特定の物の引渡しを目的とする債権のこと。当事者が「この物」と個性に着目して指定した物についての債権。
くわしく解説
特定物債権とは何か?
特定物債権とは、特定の物の引渡しを目的とする債権のことです。当事者が「この物」と個性に着目して指定した物についての債権を指します。
たとえば、「あなたが描いた絵画」や「代々受け継がれてきたこの時計」など、他に代わるものがない、その物でなければ意味がないという場合が典型例です。
種類債権・不特定物債権との違いは?
対になる概念が**種類債権(不特定物債権)**です。これは「米10kg」や「新品のノートパソコン1台」のように、種類と数量で指定された物についての債権です。
種類債権は代わりがききますが、特定物債権はその物でなければならない点が決定的に異なります。
債務者の注意義務はどうなる?
特定物債権の場合、債務者は**善良な管理者の注意義務(善管注意義務)**をもって物を保管する必要があります(民法400条)。
「この物でなければならない」のですから、債務者は引き渡すまで大切に保管しなければならないのです。もし過失で壊してしまった場合は、債務不履行責任を負うことになります。
試験での注意点
特定物債権では、物が滅失した場合の履行不能との関係や、危険負担の問題がよく出題されます。その物が滅失すれば代わりがないため、履行不能となる点を押さえておきましょう。
具体例で考えよう
ケース①:有名画家の原画を購入
あなたがある画家の原画を気に入り、画廊で「この絵を売ってください」と購入契約を結んだとします。この場合、その絵画という特定の物の引渡しを求める権利が発生します。これは特定物債権です。他の絵で代用することはできません。
ケース②:中古車の個別売買
中古車販売店で展示されている特定の車両を見て、「このナンバーの車を買います」と契約したとします。その車両は走行距離や傷の状態など個性があり、他の車では代えられません。この車の引渡しを求める権利は特定物債権となります。
試験対策ポイント
「特定物債権」は民法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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