特別利害関係人
とくべつりがいかんけいにん
ひとことで言うと
取締役会の決議において、議題となっている取引に特別な利害関係を持つため、決議に参加できない取締役のこと。
くわしく解説
どんな取締役が「特別利害関係人」になるの?
取締役会で何かを決めるとき、その議題に個人的な利害関係がある取締役がいることがあります。たとえば、ある取締役が自分の土地を会社に売る契約について決議する場合、その取締役は「売主」として個人的な利益を得る立場にあります。
このような取締役を特別利害関係人といい、その議題の決議には参加できません(会社法369条2項)。
なぜ決議に参加できないの?
ポイントは、「公正な判断を妨げる恐れがあるから」という考え方にあります。
自分が得をする取引について自分で賛成票を入れられるとしたら、会社の利益より個人の利益を優先してしまうかもしれません。これでは、取締役会の決議が不公正になってしまいます。
そこで法律は、特別利害関係人を決議から排除することで、公正な意思決定を守っているのです。
定足数の計算はどうなるの?
取締役会の決議には、通常「過半数の出席」が必要です(定款で加重可能)。
このとき、特別利害関係人は定足数の計算には含めますが、決議には参加できないとされています。つまり、出席はしているけれど議決権は行使できない、という扱いになります。
試験での頻出ポイント
利益相反取引(取締役が会社と取引する場合など)の議題では、当該取締役が特別利害関係人になることを押さえましょう。また、特別利害関係人が参加した決議は決議取消しの対象になり得る点も重要です。
具体例で考えよう
ケース①:取締役が土地を会社に売却する場合
取締役Aが所有する土地を、会社が買い取るかどうかを取締役会で決議することになったとします。この場合、取締役Aは売主として個人的な利益を得る立場にあります。したがって、取締役Aはこの議題について特別利害関係人となり、決議には参加できません。
ケース②:取締役の兼任先企業との取引
取締役BがX社の代表取締役も兼任しており、自社がX社と取引契約を結ぶかどうかを取締役会で決議するとします。取締役BはX社の代表として利益を得る立場にあるため、この議題では特別利害関係人に該当し、決議に参加することはできません。
試験対策ポイント
「特別利害関係人」は商法・基礎の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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