施行
しこう
ひとことで言うと
法律や規則などが実際に効力を持って運用されること。単に法律が成立しただけでなく、実際に適用される状態になること。
くわしく解説
施行とは何か?
法律は国会で成立しても、その日からすぐに効力を持つわけではありません。施行とは、法律や規則が実際に効力を持って適用される状態になることをいいます。
ポイントは、「法律ができた日(成立日)と、実際に使える日(施行日)は別」という点です。
なぜ成立と施行がズレるの?
法律が成立してから施行されるまでに期間を置くのには理由があります。
国民や企業が新しいルールに対応するための準備期間が必要だからです。たとえば、新しい税制が導入される場合、企業は会計システムを変更する必要があります。また、行政機関も新しい制度を運用するための体制を整える必要があります。
こうした準備期間を確保するために、法律の成立と施行の間に一定の期間(周知期間)が設けられるのです。
施行日はどう決まるの?
施行日の決め方には、主に3つのパターンがあります。
①公布の日から〇日後と定める方法。「公布の日から起算して20日を経過した日から施行する」などと規定されます。
②特定の日付を指定する方法。「令和〇年4月1日から施行する」のように明示されます。
③政令で定める日とする方法。法律では施行日を確定せず、準備が整った段階で政令により施行日を定めます。
「公布」との違いは?
よく混同されるのが公布です。公布は、成立した法律を国民に知らせる行為で、官報に掲載されることで行われます。一方、施行はその法律が実際に効力を持つことです。
「公布→施行」の順番で進むと覚えましょう。
具体例で考えよう
ケース①:消費税率の引き上げ
消費税率を8%から10%に引き上げる法律が国会で成立したとします。しかし、企業や店舗がレジシステムを変更したり、価格表示を見直したりする時間が必要です。そのため、法律の成立から1年後の10月1日を施行日と定めました。これにより、準備期間を確保した上で新税率が適用されることになります。
ケース②:新しい商法の改正
会社法の一部を改正する法律が成立し、公布されたとします。ただし、企業が新しいルールに対応するための体制整備が必要なため、「公布の日から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する」と規定されました。これにより、実際の施行日は政令で後日決定されることになります。
試験対策ポイント
「施行」は商法・基礎の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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