敷金承継
しききんしょうけい
ひとことで言うと
賃貸物件が売却されたとき、新しい所有者(買主)が前の所有者(売主)から敷金返還義務を引き継ぐこと。
くわしく解説
なぜ「承継」されるの?
アパートを借りているときに、大家さんが変わったらどうなるでしょうか?「前の大家さんに預けた敷金は戻ってこないの?」と不安になりますよね。
敷金承継とは、賃貸物件が売買されたとき、新しい所有者が、前の所有者から敷金返還義務を引き継ぐというルールです。これにより、賃借人(借りている人)は、退去時に新しい大家さんから敷金を返してもらえるのです。
ポイントは、「賃貸物件の所有者が変わっても、賃借人の権利は守られるべきだ」という考え方にあります。
どういう仕組みで承継されるの?
賃貸物件が売却されると、賃借権という権利も新しい所有者に引き継がれます(これを「賃借権の対抗」といいます)。このとき、敷金返還義務も一緒に承継されるのです。
判例では、敷金は賃貸借が終了して物件を明け渡すまで返還されないものですが、売買によって所有者が変われば、新所有者がその義務を負うとしています。
承継される条件は?
①賃貸物件の所有権が移転していること。売買や相続などで所有者が変わった場合です。
②賃借権が新所有者に対抗できること。建物であれば賃借人が引き続き住んでいる(占有している)ことが必要です。
③敷金が現に預けられていること。既に敷金が返還されていれば、承継する義務はありません。
試験で注意すべきポイント
旧所有者(売主)は、売却後は敷金返還義務を負いません。賃借人は新所有者にのみ返還請求できます。また、敷金の額は当然に承継されるので、新旧の大家さん間で特約を結んでも、賃借人には対抗できないとされています。
具体例で考えよう
ケース①:アパートの売買
Aさんは大家のBさんに敷金20万円を預けてアパートを借りていました。その後、BさんがこのアパートをCさんに売却したとします。この場合、Cさんが新しい大家として敷金返還義務を引き継ぎます。Aさんが退去する際には、Cさんに対して敷金の返還を請求することになります。これが敷金承継の典型例です。
ケース②:相続による承継
Dさんは大家のEさんに敷金を預けてマンションを借りていましたが、Eさんが亡くなり、その子であるFさんが物件を相続しました。この場合も、Fさんが敷金返還義務を承継します。Dさんは退去時にFさんから敷金を返してもらえます。売買だけでなく、相続でも敷金承継は起こります。
試験対策ポイント
「敷金承継」は民法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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