執行命令
しっこうめいれい
ひとことで言うと
法律を実施するために必要な細則を定める命令で、新たに国民の権利義務を創設することはできないもののこと。
くわしく解説
執行命令って何のためにあるの?
法律は国会で作られますが、その内容は大枠だけで、細かいところまでは決めていないことが多いです。そこで、法律を実際に動かすために必要な手続きや細則を定めるのが執行命令です。
ポイントは、「法律の内容を具体化するだけで、新しいルールを作るわけではない」という点にあります。
委任命令との違いは?
行政立法には大きく分けて執行命令と委任命令があります。この2つの違いを押さえておきましょう。
委任命令は、法律から「この部分は行政で決めてね」と個別に委任を受けて定めるものです。委任があれば、国民の権利義務に関わる新しいルールを作ることもできます。
一方、執行命令は法律の個別の委任がなくても制定できます。ただし、その代わりに国民の権利義務を新たに創設することはできません。あくまで既存の法律をスムーズに実施するための「補助的なルール」なのです。
憲法上の根拠はどこにあるの?
憲法73条6号に「法律を誠実に執行する」という内閣の職務が定められています。この規定が、執行命令を制定できる根拠とされています。
内閣は法律を実施する責任を負っているので、その実施に必要な細則を定める権限も当然に持っている、という考え方です。
試験ではここが狙われる!
試験では、執行命令と委任命令の違いがよく問われます。
①個別の法律の委任が必要かどうか。執行命令は不要、委任命令は必要。
②国民の権利義務を創設できるかどうか。執行命令はできない、委任命令はできる。
この2点をセットで覚えておけば、選択肢の正誤判断がスムーズにできるようになります。
具体例で考えよう
ケース①:申請書の様式を定める場合
法律で「許可を受けるには申請書を提出すること」と定められているとします。この申請書の具体的な書式や記載事項を政令で定める場合、これは執行命令にあたります。新たな義務を課すのではなく、既存の手続きを具体化しているだけだからです。
ケース②:届出の受付窓口を定める場合
法律で届出義務が定められている場合に、届出先の窓口や受付時間を省令で定めるとします。これも執行命令の典型例です。届出義務自体は法律で決まっており、その実施方法を細かく定めているにすぎません。
試験対策ポイント
「執行命令」は行政法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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