土地と建物の一括競売
とちとたてもののいっかつけいばい
ひとことで言うと
抵当権が設定された土地または建物の一方だけを競売する場合に、他方も一緒に競売できる制度のこと。
くわしく解説
どんな制度なの?
土地と建物は別々の不動産として扱われるため、本来は片方だけに抵当権を設定することができます。でも、土地だけ、または建物だけを競売にかけても、買受人にとって使い勝手が悪いですよね。そこで民法は、抵当権が設定されていない方も一緒に競売できるという制度を用意しています。これが土地と建物の一括競売です。
なぜこの制度が必要なの?
たとえば、土地だけに抵当権がある場合を考えてみましょう。土地を競売にかけても、その上に他人の建物が建っていたら、買受人は自由に土地を使えません。逆に建物だけを競売しても、土地の利用権がなければ建物の価値は大きく下がってしまいます。
一括競売のポイントは、抵当権者の担保価値を最大限に確保し、同時に買受人が使いやすい状態で競売するという考え方にあります。
一括競売ができる条件は?
①土地と建物の所有者が同一であること。別々の人が所有している場合は対象外です。
②土地または建物の一方だけに抵当権が設定されていること。両方に設定されていれば、そもそも両方を競売できます。
③抵当権を実行する必要があること。つまり、債務不履行があって競売を申し立てる場合に限られます。
試験での注意点
一括競売と法定地上権の違いをしっかり区別しましょう。法定地上権は、土地と建物が別々の所有者になった後の問題ですが、一括競売は競売の段階で両方をまとめて売る制度です。
具体例で考えよう
ケース①:土地のみに抵当権がある場合
Aさんは自分の土地に建物を建て、土地だけに抵当権を設定して銀行から融資を受けました。その後、返済ができなくなったとします。この場合、銀行は土地だけでなく、建物も一緒に競売にかけることができます。これにより、買受人は土地と建物をセットで取得でき、より高い価格で落札される可能性が高まります。
ケース②:建物のみに抵当権がある場合
Bさんは自分の土地上に建物を建て、建物だけに抵当権を設定しました。債務不履行により競売となった場合、抵当権者は建物だけでなく、その敷地である土地も一緒に競売にかけることができます。これにより、建物と土地が別々の所有者になる不便な状況を避けられます。
試験対策ポイント
「土地と建物の一括競売」は民法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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