占有訴権
せんゆうそけん
ひとことで言うと
占有という事実状態を保護するために、占有者に与えられる特別な訴えのこと。
くわしく解説
そもそも何を守るための制度なの?
占有訴権は、物を「持っている」という事実状態を守るための制度です。ポイントは、あなたが本当の所有者かどうかは関係ないということ。たとえ借りているだけでも、単に預かっているだけでも、「持っている」という事実が保護されます。
「でも、なぜ所有者でもない人を守るの?」と疑問に思うかもしれません。これは社会の平穏を守るためです。力ずくで奪い取るような行為を許すと、社会が混乱してしまうからです。
3つの占有訴権とは?
占有訴権には、状況に応じて3種類あります。
①占有保持の訴えがあります。占有を妨害されたときに、妨害の停止と損害賠償を請求できます。
②占有保全の訴えがあります。占有を妨害されそうなときに、妨害の予防や損害賠償の担保を請求できます。
③占有回収の訴えがあります。占有を奪われたときに、占有の返還と損害賠償を請求できます。
物権的請求権との違いは?
物権的請求権は、所有者など「本当の権利者」だけが使えます。一方、占有訴権は「持っているという事実」があれば使えます。試験では、この違いをしっかり理解しているかが問われます。
具体例で考えよう
ケース①:賃借人が勝手に追い出された場合
あなたはアパートを借りて住んでいましたが、大家が勝手に鍵を変えて中に入れなくなってしまいました。この場合、あなたは所有者ではありませんが、占有回収の訴えを使って占有の回復を求めることができます。
ケース②:隣人が敷地に侵入してくる場合
あなたの借りている土地に、隣人が頻繁に無断で立ち入ってきます。このような継続的な妨害に対しては、占有保持の訴えによって妨害の停止を求めることができます。所有者でなくても、占有している事実があれば保護されるのです。
試験対策ポイント
「占有訴権」は民法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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