占有保全の訴え
せんゆうほぜんのうったえ
ひとことで言うと
占有を妨害されるおそれがあるときに、あらかじめその妨害を予防するために提起できる訴えのこと。
くわしく解説
占有保全の訴えとは何か?
占有保全の訴えは、占有訴権の一つです。現在の占有がまだ侵害されていないけれど、将来侵害されそうな場合に、あらかじめそれを防ぐために起こせる訴えのことです。
「占有が奪われてから取り返すのでは遅い。妨害されそうなら、事前に手を打ちたい」というのが、この制度の考え方です。
占有保持・占有回収の訴えとの違いは?
占有訴権には3種類あります。
占有保持の訴えは、現在進行形で妨害されている場合に使います。占有回収の訴えは、占有を完全に奪われてしまった後に取り戻すための訴えです。
それに対して占有保全の訴えは、まだ妨害されていないけれど、将来妨害されるおそれがあるときに使います。つまり、3つの中で最も早い段階で使える訴えなのです。
どんなときに使えるの?
①現在、占有していること。あなた自身が物を占有している必要があります。
②妨害のおそれがあること。単なる心配ではなく、客観的に見て妨害される危険性が具体的に存在することが必要です。
試験で押さえるポイント
占有訴権は、占有の事実があれば本権(所有権など)がなくても使えるのが特徴です。3つの訴えの違い、特に「いつの時点で使えるか」を正確に区別できるようにしておきましょう。
具体例で考えよう
ケース①:隣人が塀を壊そうとしている
あなたが土地を占有していたところ、隣人が「この塀は俺の土地にはみ出している。来週壊しに来る」と予告してきたとします。まだ実際には壊されていませんが、具体的な妨害のおそれがあります。これは占有保全の訴えの対象になります。
ケース②:工事による建物の損傷が予想される
あなたが建物を占有していて、隣で大規模な工事が始まる予定です。工事の内容から、あなたの建物が振動で損傷する具体的な危険があるとします。この場合も、事前に占有保全の訴えを起こして妨害を予防できます。
試験対策ポイント
「占有保全の訴え」は民法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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