住民訴訟
じゅうみんそしょう
ひとことで言うと
地方公共団体の財務会計上の違法な行為について、住民が裁判所に是正を求めることができる訴訟制度のこと。
くわしく解説
住民訴訟って何のためにあるの?
みなさんが住んでいる市区町村のお金が、不正に使われていたらどう思いますか?「それはおかしい!」と声を上げたくなりますよね。
住民訴訟は、まさにそのための制度です。地方公共団体の財務会計上の違法な行為を是正するために、住民が裁判所に訴えを起こすことができます。
ポイントは、「税金の使い道を住民自身がチェックできる」という考え方にあります。
住民監査請求との関係は?
住民訴訟を起こすには、まず住民監査請求をしなければなりません。これを「監査請求前置主義」といいます。
つまり、いきなり裁判所に訴えることはできず、最初は監査委員に「調べてください」とお願いする必要があるのです。監査結果に不満がある場合や、監査委員が何もしてくれない場合に、初めて住民訴訟に進むことができます。
4種類の請求内容を押さえよう
住民訴訟では、以下の4つの請求ができます(地方自治法242条の2)。
①差止請求…違法な行為をやめさせること
②取消し・無効確認請求…違法な行為や処分を取り消したり、無効だと確認すること
③怠る事実の違法確認請求…やるべきことをやっていない事実が違法だと確認すること
④損害賠償・不当利得返還請求…職員や相手方に対して、損害賠償や不当利得の返還を求めること
民衆訴訟の一種という位置づけ
行政事件訴訟法では、住民訴訟は民衆訴訟に分類されます。自分の権利が侵害されていなくても、選挙権を持つ住民なら誰でも提起できるのが特徴です。
試験で狙われるポイントは?
試験では、住民監査請求との違いや、4種類の請求内容がよく出題されます。特に「監査請求前置」は必須知識です。また、住民訴訟は客観訴訟(民衆訴訟)であり、主観訴訟である取消訴訟とは性質が異なる点も押さえておきましょう。
具体例で考えよう
ケース①:市長の違法な公金支出
あなたの住む市の市長が、友人の会社に対して不当に高い金額で工事を発注したとします。住民監査請求をしても是正されなかったため、住民訴訟を提起し、市長に損害賠償を求めました。これは住民訴訟の4号請求(損害賠償請求)の対象になります。
ケース②:違法な補助金交付の差止め
あなたの住む町が、法律上の根拠なく特定の団体に補助金を交付しようとしているとします。住民監査請求を経た上で、その交付を止めるよう裁判所に訴えました。これは住民訴訟の1号請求(差止請求)の対象になります。
試験対策ポイント
「住民訴訟」は行政法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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