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合格者ストーリー2026-07-30

【合格者リレー④】テキストは1冊だけ。独学14ヶ月で使った教材と、その回し方のすべて

独学で合格したゆかりさん(36歳)が、実際に使った教材とその回し方を公開。テキストを1冊に絞った理由、肢別過去問の印のつけ方と周回法、買ったのに使わなかった教材、模試の受け方と復習法まで具体的に語ります。

#合格者ストーリー#教材選び#独学#過去問#勉強法
ゆかり

合格者リレーブログ 今回の語り手

ゆかり

36歳・2児の母・自宅で行政書士事務所を開業

元アパレル販売員。第二子の育休中に「手に職を」と思い立ち、育児のスキマ時間だけで学習を開始。1日90分×14ヶ月の独学で合格し、現在は自宅を事務所に相続・遺言分野で開業している。

ゆかりです。前回の記事に「具体的にどの教材をどう使ったのか知りたい」という声をいくつかいただいたので、今回はそこだけを詳しく書きます。1日90分しか取れない人間が、何を使って、どう回したのか。買って失敗したものも正直に書きます。

結論から。使ったのは3つだけです

14ヶ月で私が使ったのは、次の3つだけでした。

  • 基本テキスト 1冊(フルカラーで別冊六法がついているもの)
  • 肢別式の過去問集 1冊
  • スマホの学習アプリ(判例解説・一問一答・音声)

これに、直前期の模試を3回足しただけです。記述式の問題集も、判例集も、六法も別途買っていません。

教材が少ないことに不安を感じる方は多いと思います。私もそうでした。でも時間のない人間にとって、教材の数は「安心料」であって「実力」ではありません。使い切れない教材を持っていることは、むしろ焦りの原因になります。

テキストの選び方でこだわった3点

書店で1時間ほど悩んで決めました。基準にしたのは次の3つです。

1つめは、別冊の六法がついていること。行政書士試験は条文そのものが問われます。かといって分厚い六法を別に買うと、絶対に開かなくなる。テキストから切り離せる薄い六法がついているものを選びました。実際、この別冊がいちばん手垢がつきました。

2つめは、フルカラーであること。好みの問題だと思っていましたが、育児の合間に開く身にはかなり重要でした。白黒のテキストは、疲れているときに「読む気力」を要求してきます。色がついているだけで、5分だけでも開くハードルが下がりました。

3つめは、自分が最後まで読めそうかどうか。店頭で行政手続法のページを読み比べて、いちばん頭に入ってきたものを選びました。網羅性やページ数より、これがいちばん大事だったと思います。読めない名著より、読める平凡な1冊です。

肢別過去問の回し方。印のつけ方が9割です

実力がついたのは、間違いなく肢別過去問のおかげです。ただし「何周したか」よりも「どう印をつけたか」の方がずっと重要でした。

私がやっていたのは、1肢ごとに次の印をつけることだけです。

  • :理由まで説明できて正解した
  • :正解したが、理由があいまい・勘が入った
  • ×:間違えた

ポイントは△を作ることです。正解・不正解の2種類だけで管理すると、たまたま当たった肢が「できる問題」に分類されてしまいます。本番で落とすのは、まさにこの△の肢です。私は2周目以降、△と×だけを解き直しました。

そして◎が3回続いた肢は、二度と解きません。これを決めてから、1周にかかる時間が劇的に短くなりました。1周目は行政法だけで3週間かかりましたが、5周目には4日で終わるようになっていました。周回数が増えるのではなく、1周が軽くなっていく感覚です。

最終的な周回数は、行政法が9周、民法が7周、憲法が5周、商法は3周でした。全科目を均等に回したわけではありません。配点の大きい科目ほど多く回した、というだけです。

テキストは「読む」のではなく「戻る」ために使う

最初の2ヶ月は、テキストを最初から読んでいました。これは、いま思えば効率が悪かったです。読んでも読んでも頭に残らず、行政法を読み終わるころには最初の方を忘れていました。

3ヶ月目から、順番を逆にしました。先に肢別問題を解き、間違えた肢に関係するページだけをテキストで読むという形です。すると、同じページを読んでいるのに定着がまるで違いました。「なぜ間違えたのか」という疑問を持った状態で読むからだと思います。

この方法にしてから、テキストは通読するものではなく、辞書のように引くものになりました。読んだページには日付を書き込み、3回以上引いたページには付箋を貼っておきます。直前期に見返すのは、その付箋のページだけです。

買ったのに使わなかったもの、正直に書きます

失敗も共有しておきます。私が買って無駄にしたのは次の3つです。

条文の素読用の教材。「条文を声に出して読むといい」という話を真に受けて始めましたが、行政法以外はまったく頭に入りませんでした。民法の条文を素読しても、事例問題は解けるようになりません。2週間でやめました。

時事問題の対策本。基礎知識の政治・経済・社会に備えて買いましたが、範囲が広すぎて何を覚えればいいのかわからないまま終わりました。結局この分野は、本番でも半分程度しか取れていません。それでも足切りは回避できたので、深追いしなくて正解だったと思っています。

記述式の専用問題集。これは買ったこと自体は間違いではないのですが、8月に買ったのが遅すぎました。ほとんど手をつけられないまま本番を迎えています。買うなら、もっと早く買って早く始めるべきでした。

共通しているのは「不安だから買った」ものだということです。何かが足りない気がして買い足すと、たいてい使いません。

模試は3回。点数より復習に意味があります

模試は7月・9月・10月に1回ずつ、計3回受けました。結果は前回書いたとおり、98点・142点・168点で、最後まで一度も合格ラインに届いていません。

それでも受けてよかったと思っています。理由は3つあります。

3時間座る練習になること。これが想像以上に大事でした。育児中の私は、14ヶ月のあいだ一度も連続で3時間机に向かっていません。本番でいきなり3時間集中するのは、体力的に無理があります。

時間配分を試せること。1回目の模試で、記述式に取りかかったのが残り15分でした。まったく足りません。2回目からは「記述式に30分残す」を最優先にして、そこから逆算する形に変えました。

マークミスの怖さを知れること。2回目の模試で、実際に1問ずれてマークしていました。気づいたのは終了5分前です。あのとき気づかなければ、以降の答えが全部ずれていました。それ以来、5問ごとに問題番号とマーク欄の番号を突き合わせる習慣をつけました。

復習は、間違えた問題を肢別の該当箇所に紐づけるだけです。模試専用のノートは作りませんでした。作る時間があるなら、その分もう1周したかったからです。

ひとつだけ注意点があります。本番直前に模試をやるのはおすすめしません。私は10月末にもう1回受けようか迷ってやめました。あとで知ったのですが、前日に模試を解いて点が取れず、メンタルを崩したまま本番に臨んだという話をよく聞きます。直前期にやるべきは、新しい問題を解くことではなく、△と×の肢を潰すことだと思います。

スマホアプリは「開くきっかけ」として使う

アプリは、紙の教材の代わりではなく、紙を開けない場面のために使っていました。子どもを抱っこしているとき、公園のベンチ、病院の待合室。片手しか使えない場所です。

特に助かったのは音声解説です。皿を洗いながら、洗濯物をたたみながら判例を聴けるので、それまで完全に「勉強できない時間」だった家事の時間が変わりました。倍速で聴けるので、1本15分の解説が8分ほどで終わります。

正直に言えば、聴き流している時間もかなりあります。それでも、本番で判例の名前を見たときに「あ、これ聴いたことがある」と思えるだけで、選択肢を絞る手がかりになりました。

教材選びで迷っている方へ

  • テキストは1冊で足ります。選ぶ基準は網羅性ではなく「自分が最後まで読めるか」です。
  • 肢別過去問は、印を3種類つけてください。「たまたま当たった肢」を可視化できるかどうかが分かれ目です。
  • テキストは読むより引く。先に問題を解いて、間違えた箇所だけ戻る方が定着します。
  • 不安で買った教材は、たいてい使いません。買う前に、手持ちの教材の同じ範囲を読み返してください。
  • 模試は点数を見る場ではなく、時間配分とマーク手順を練習する場です。
  • 記述式の教材だけは、早く買って早く始めてください。私はここで失敗しました。

教材を絞ることは、不安との戦いです。でも1日90分しかない人間にとって、教材を増やすことは選択肢を増やすことではなく、迷う時間を増やすことでした。1冊を信じて回しきる方が、結果的に近道だったと思います。

行政書士になる子ちゃん編集部

この記事の執筆

行政書士になる子ちゃん編集部

行政書士試験の学習コンテンツを制作する編集チーム。判例解説・テキスト・過去問解説を、判例原文・条文などの一次資料に基づいて執筆しています。

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