A民法担保物権
物上代位と一般債権者の差押えとの優劣
最高裁判所1998-03-26
物上代位抵当権差押えの競合一般債権者第三債務者への送達抵当権設定登記
物上代位と差押え、登記と送達の先後で決着
図解でわかる

事案の概要
ある不動産に抵当権が設定されていました。その後、その不動産が売却され、売却代金が発生しました。抵当権者は物上代位として売却代金を差し押さえようとしましたが、一般債権者も同じ売却代金を差し押さえていました。両者が競合した場合、どちらが優先されるのかが争われた事案です。
争点
一般債権者による差押えと抵当権者による物上代位(担保目的物の売却代金等に対して権利を行使すること)に基づく差押えが競合した場合、どちらが優先されるか?
判旨
一般債権者の差押えの効力は、差押命令が第三債務者(債務者にお金を払う義務を負う者)に送達された時点で生じる。一方、抵当権者が第三者に対抗するには抵当権設定登記が必要であり、両者が競合した場合の優先順位は、差押命令の第三債務者への送達日と抵当権設定登記日のどちらが先かによって判断される。
関連法令の解説
民法372条は、抵当権者が目的物の売却代金などに対しても権利を行使できる「物上代位」を規定しています。この判例は、物上代位と一般債権者の差押えが競合した場合の優先順位について判断したものです。
身近な例え
予約席(登記)と先着順(送達)の競争。レストランの予約日と実際に来店した日、どちらが早いかで席が決まるイメージです。
ざっくりまとめ
要するに、抵当権者の物上代位と一般債権者の差押えがぶつかったら、抵当権設定登記の日と差押命令が第三債務者に送達された日の、どちらが早いかで勝負が決まるってこと!
試験対策ポイント
【試験で押さえるべきポイント】 ①物上代位の対抗要件:抵当権設定登記 ②一般債権者の差押えの効力発生時期:差押命令の第三債務者への送達時 ③優先順位の判断基準:抵当権設定登記の日と差押命令の第三債務者への送達日の先後で決する ④第三債務者とは:債務者にお金を払う義務を負う者(本件では売買代金の支払義務者) ⑤物上代位を行使するには、抵当権者自身も差押えをする必要があるが、優先順位は登記と送達の先後による
関連法令
民法372条
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