地方公共団体の長の代表行為と双方代理
市長が市と財団法人の両方の代表として契約締結!双方代理禁止の民法108条が公法にも類推適用
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事案の概要
争点
判旨
判決
関連法令の解説
同一の法律行為について、相手方の代理人となること、または当事者双方の代理人となることを禁じた規定です。違反した行為は無権代理となります。本来は私人間の規定ですが、本判決では地方公共団体の長の代表行為にも類推適用されると判断されました。
民法116条(無権代理行為の追認)
無権代理行為を本人が追認した場合、その効果は契約時にさかのぼって本人に帰属することを定めています。本判決では、議会による追認についてもこの規定が類推適用されると判断されました。
地方自治法242条の2(住民訴訟)
普通地方公共団体の財務会計上の行為が違法・不当である場合に、住民が裁判所に対して是正を求めることができる制度です。本件では、市長の双方代理行為という違法な財務行為に対して住民訴訟が提起されました。
地方自治法147条・149条(長の代表権・職務権限)
地方公共団体の長が当該団体を統轄・代表する権限を定めた規定です。長の代表権の範囲と限界を考えるうえでの前提となる条文です。
身近な例え
ざっくりまとめ
試験対策ポイント
類推適用の理由は「私人間の双方代理と同様に地方公共団体の利益が害されるおそれがある」点にある
類推適用の結果、当該行為は無権代理となり、原則として契約効果は地方公共団体に帰属しない
議会が追認した場合は民法116条の類推適用により、契約の効果が地方公共団体に帰属し有効となる
住民はこのような違法行為に対して地方自治法242条の2に基づく住民訴訟で争うことができる
注意:民法108条は「適用」ではなく「類推適用」である点と、追認の根拠が民法116条である点がひっかけになりやすい
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関連法令
関連判例
同時履行の抗弁権が認められる場合(詐欺取消後の返還義務)
詐欺取消し後の原状回復義務には、民法533条が類推適用される(直接適用ではない) 売主の仮登記抹消義務と買主の売買代金返還義務は同時履行の関係にある 民法533条は有効な双務契約だけでなく、取消し後の返還義務にも類推適用できるという点が重要 類推適用の根拠は公平の原則であり、一方だけに先履行を強いることの不公平を是正する趣旨である 注意:関連法令として提示される「民法121条の2」は2020年改正で新設された条文であり、本判決(昭和47年)当時は存在しなかった。現行法では121条の2第1項が原状回復義務の根拠条文となる(第2項は無償行為の特則なので本件とは直接関係しない)
故意の条件成就
民法130条1項「故意の妨害→成就したとみなす」と、2項「不正な成就→成就しなかったとみなす」は対になる規定 本判例は改正前に「類推適用」で結論を出した判例であり、平成29年改正で民法130条2項として明文化された 改正後の2項では判決時の「故意に」が「不正に」と変更されている点に注意(試験でのひっかけポイント) 条件成就を「妨害」した場合も「故意に成就」させた場合も、どちらも信義則違反として相手方を保護する効果がある 「みなす」は反証を許さない強い効果(「推定する」とは区別すること) 本件の事案:アデランス(X)がアートネイチャー(Y)を罠にはめた「かつら事件」として覚えるとよい
民法711条の固有の慰謝料請求
民法711条の固有慰謝料請求権者は原則「父母・配偶者・子」の3種類 列挙外の者でも①実質的に同視しうべき身分関係+②甚大な精神的苦痛の2要件を満たせば類推適用により請求可能(本判決) 類推適用の決め手は血縁・親族の近さではなく、長年の同居・庇護・依存という生活実態 注意:類推適用の主張・立証責任は請求者側が負う。関係があれば自動的に認められるわけではない 対比:711条の固有慰謝料と、被害者本人の慰謝料請求権(相続によるもの)は別個の権利として併存する(最大判昭42.11.1) 類推適用が認められうる者の例:内縁の配偶者・祖父母・孫・兄弟姉妹・事実上の養子など(ただし実態による個別判断が必要)
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