A民法債権総論
特定債権保全のための詐害行為取消権
最高裁判所1961-07-19
詐害行為取消権特定物引渡請求権被保全債権無資力共同担保
特定物債権も詐害行為取消権で守れる
図解でわかる

事案の概要
債権者が債務者に対して特定の土地や建物の引き渡しを求める権利を持っていたところ、債務者がその財産を第三者に処分してしまい、無資力になりました。債権者は、この処分行為を詐害行為として取り消し、自分の債権を保全できるかが争われた事案です。
争点
特定の物(例:土地や建物)の引き渡しを求める権利(特定物引渡請求権)を持つ債権者が、詐害行為取消権(債務者の不正な財産処分を取り消す権利)を行使できるかどうか。
判旨
特定物の引き渡しを求める債権であっても、債務者がその物を他人に処分して財産がなくなった(無資力になった)場合、その債権は最終的に損害賠償を求めるお金の権利(金銭債権)に変わりうる。そのため、金銭債権と同様に債務者の全財産で保証される必要があり、詐害行為として処分行為を取り消すことができる。
関連法令の解説
民法424条1項の詐害行為取消権に関する判例です。債務者が債権者を害する財産処分をした場合、債権者がそれを取り消せる制度について、どのような債権が保護されるかを明らかにしました。
身近な例え
友人に貸した漫画を返してもらう約束があるのに、友人がそれを勝手に売ってお金もない状態。売却を取り消して漫画を取り戻せるというイメージです。
ざっくりまとめ
要するに、特定の物の引き渡しを求める債権でも、債務者が無資力なら、その物の処分を詐害行為として取り消せるってこと!最終的には金銭賠償に変わる可能性があるからね。
試験対策ポイント
①特定物引渡請求権も詐害行為取消権の被保全債権となる ②理由:債務者が目的物を処分して無資力になった場合、債権は損害賠償請求権(金銭債権)に転化するため ③金銭債権は債務者の全財産を担保とするという原則が適用される ④したがって特定物の処分行為も詐害行為として取消しの対象となる
関連法令
民法424条1項
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