大東水害訴訟
未改修の河川は「過渡的安全性」で足りる!同種・同規模の河川の一般水準が瑕疵の判断基準
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事案の概要
争点
判旨
判決
関連法令の解説
道路・河川その他の公の営造物の設置または管理に瑕疵があったために他人に損害を生じたときは、国または公共団体がこれを賠償する責任を負うと定めています。管理者の故意・過失は不要の無過失責任です。本判決は、この「瑕疵」の判断基準を、河川という自然公物の特性を踏まえて独自に定立しました。
国家賠償法3条1項(費用負担者の責任)
公の営造物の設置・管理の費用を負担する者も、2条1項の責任者と連帯して損害賠償責任を負うことを定めています。本件では大阪府が河川管理費用の負担者として、大東市が水路管理者として被告となったことから、この条文も関連します。
身近な例え
ざっくりまとめ
試験対策ポイント
未改修河川の安全性として求められるのは、同種・同規模の河川の管理の一般水準および社会通念に照らして是認しうる安全性(過渡的安全性)で足りる
注意:道路等の人工公物(当初から完全な安全性が求められる)と河川等の自然公物(過渡的安全性で足りる)では瑕疵の判断基準が異なる
改修計画中の河川は、計画が格別不合理でなく、水害危険性が特に顕著となる特段の事由がない限り、未改修のままであっても直ちに管理の瑕疵とはならない
財政的・技術的制約について:道路管理では予算抗弁は認められないが、河川管理の瑕疵判断では財政的・技術的・社会的制約が考慮される
本判決(未改修河川)と多摩川水害訴訟(最判平2.12.13・改修済河川)はセットで理解することが重要
関連法令
関連判例
多摩川水害訴訟
国賠法2条1項の営造物の瑕疵責任は無過失責任であり、管理者の故意・過失は不要 河川の安全性は工事実施基本計画が想定する規模の洪水に耐えられる水準で足りる(段階的安全性) 注意:道路など人工公物と河川など自然公物では求められる安全性の水準が異なる。人工公物への予算抗弁(財政事情)は原則認められないが、河川管理の瑕疵判断では財政的・技術的・社会的制約が考慮される 改修整備がされた段階において想定された規模の洪水から予測不能な水害が生じた場合、直ちに河川管理の瑕疵とはならない 改修整備後に水害発生の危険の予測が可能となった場合には、その時点から水害発生までの間に対策を講じなかったことが瑕疵にあたるかを諸事情を総合して判断する(本件とは別の判断枠組み)
故障車の放置と道路管理の瑕疵
道路上に長期間放置された故障車に安全措置を講じなかった場合は国家賠償法2条1項の瑕疵にあたる 道路管理者が故障車の存在を「知らなかった」としても、常時巡視体制をとっていなかったこと自体が管理体制の不備として瑕疵を構成する 国家賠償法2条1項の責任は無過失責任(管理者の過失の有無は問わない) 注意:「知らなかったから責任なし」とはならない。いつ知ったかではなく客観的に安全性を欠いていたかが判断基準 対比判例:「工事標識板が直前に別車両により倒されて即座に事故が起きた場合は瑕疵なし」(最判昭50.7.25とは別の判例)→時間的に原状回復が不可能な場合は免責される 本件の87時間という長期放置が瑕疵を肯定する重要なファクターであり、放置時間の長短が瑕疵判断の鍵
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