A憲法参政権・社会権
在宅投票制度廃止事件
最高裁判所1985-11-21
立法行為立法不作為国家賠償法例外的違法在宅投票
立法行為の違法性は極めて例外的
図解でわかる

事案の概要
かつて存在した在宅投票制度が、不正が多いという理由で廃止されました。身体に障害があり投票所に行けない人々は、在宅投票制度がなくなったことで選挙権を行使できなくなりました。そこで、制度を廃止した立法行為が違法だとして、国に損害賠償を求めて訴えを起こした事件です。
争点
国会議員が行った立法行為(法律を作ること)や立法不作為(必要な法律を作らないこと)が、国家賠償法上の「違法」にあたるのはどのような場合か。
判旨
国会議員の立法行為は、個々の国民に対する法的な義務ではなく、国民全体への政治的責任にとどまる。そのため、国家賠償法上の違法となるのは、立法の内容が憲法の明確な文言に明らかに違反しているにもかかわらず国会があえて立法したなど、通常では考えにくい極めて例外的な場合に限られる。本件の在宅投票制度廃止はこの例外に該当しないと判断された。
関連法令の解説
憲法17条の国家賠償請求権と国家賠償法1条1項に関する判例です。国会議員の立法行為や立法不作為が、いつ国家賠償法上の違法となるかという基準を示しました。
身近な例え
学級委員が作ったルールが少し不公平でも、それだけで委員個人の責任は問われないのと似ています。明らかにやってはいけないと分かっていて作った場合だけ責任が生じます。
ざっくりまとめ
要するに、国会の立法行為が国家賠償法上違法になるのは、憲法に明らかに違反しているのに敢えて立法したような、極めて例外的な場合だけってこと!
試験対策ポイント
【重要ポイント】 ①立法行為は国民全体に対する政治的責任であり、原則として国賠法上の違法とはならない ②例外的に違法となるのは「立法の内容が憲法の一義的な文言に違反しているにもかかわらず国会があえて当該立法を行う」など、容易に想定し難いような例外的な場合のみ ③本件の在宅投票制度廃止は、この例外的場合には該当しないと判断 ④立法不作為についても同様の厳格な基準が適用される
関連法令
憲法17条国家賠償法1条1項
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