在宅投票制度廃止事件
国会の立法行為は原則として国賠の対象外!例外は「憲法の一義的文言に違反」する場合のみ
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事案の概要
争点
判旨
判決
関連法令の解説
公権力の行使にあたる公務員が故意または過失によって違法に他人に損害を与えた場合、国または公共団体が賠償責任を負うことを定めています。本判決では、国会議員の立法行為・立法不作為がこの「違法」にあたるかが正面から争われ、最高裁が初めて立法行為への適用基準を示した画期的な判決です。
憲法15条1項・3項(公務員の選定・罷免権、普通選挙の保障)
公務員を選定・罷免することは国民固有の権利であること、成年者による普通選挙を保障することを定めています。Xは在宅投票制度の廃止がこの選挙権保障に違反すると主張しました。
憲法47条(選挙に関する事項の法律事項)
選挙区・投票の方法その他選挙に関する事項は法律で定めると規定しています。本判決はこれを根拠に、投票方法の具体的決定は国会の裁量的権限に委ねられていると解しました。
憲法51条(国会議員の免責特権)
議院における演説・討論・表決について院外で責任を問われないことを定めています。本判決はこれを根拠に、国会議員の立法過程における行動は政治的責任の対象にとどまり、個別の国民への法的義務を負わないと判断しました。
身近な例え
ざっくりまとめ
試験対策ポイント
国賠法上の違法となるのは、「憲法の一義的な文言に違反しているにもかかわらず国会があえて当該立法を行う」という例外的な場合のみ
在宅投票制度の廃止・不作為はこの例外にあたらず、国賠法上は適法と判断された
注意:立法内容が違憲であることと立法行為が国賠法上違法であることは別概念であり、違憲=違法ではない
後続の在外邦人選挙権訴訟(最大判平17.9.14)では違法基準が修正・拡張され、本判決と「異なる趣旨ではない」と整理されている。セットで理解すること
憲法47条が投票方法を国会の裁量に委ねているという点が、本件不作為が例外に当たらない理由として重要
関連法令
関連判例
在外邦人国民審査権確認等事件
国民審査権は選挙権と同様の性質を有する主権者の重要な権利であり、やむを得ない事由がない限り制限は許されない(厳格審査基準) 在外国民に国民審査への参加を認めない国民審査法の規定は憲法15条1項・79条2項・3項に違反する(法令違憲) 立法不作為が国家賠償法1条1項の違法にあたると判断されるのは例外的であり、「憲法上保障された権利行使の機会確保のための立法が必要不可欠かつ明白であるのに、国会が正当な理由なく長期間怠った場合」に限られる 本判決は裁判官全員一致の意見であり、きわめて画期的な判決であること 注意:判決日は令和4年(2022年)5月25日であり、「令和5年」「2023年」は誤り 行政事件訴訟法4条(公法上の当事者訴訟)も関連条文として重要——在外国民の違法確認の訴えがこれにより適法とされた点も押さえること
在外選挙権制限事件
国会議員の立法行為・立法不作為が国賠上の違法となるのは例外的な場合に限られる 例外的に違法となる2つの場合:①憲法上の権利を違法に侵害することが明白、②権利行使のための立法が必要不可欠かつ明白なのに正当な理由なく長期間放置 注意:単に立法が遅れただけでは足りず、著しい不作為といえる程度に至ることが必要 本件では廃案後10年以上の不作為が「著しい不作為」として違法と認定された 立法不作為が国賠の対象となる典型判例として、行政書士試験でも頻出
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