A憲法人権総論
南九州税理士会政治献金事件
最高裁判所2001-03-13
強制加入団体政治献金思想・信条の自由目的の範囲外税理士会
強制加入団体の政治献金は許されない
図解でわかる

事案の概要
税理士会が、税理士法の改正を求める目的で、特定の政治団体に政治献金を行うことを決議しました。しかし、税理士会は税理士として活動するために必ず加入しなければならない強制加入団体であり、会員は実質的に脱退できません。このような状況で、政治献金への協力を会員に求めることの是非が争われました。
争点
強制加入団体(会員が脱退できない団体)である税理士会が、法令の改正を求める目的であっても、政治団体に対して政治献金を行うことが許されるかどうか。
判旨
税理士会は強制加入団体であり、会員には実質的に脱退の自由がない。政治団体への寄付は、どの政党・候補者を支持するかという会員個人の政治的思想・信条に深く関わる事柄であるため、税理士会がこれを多数決で決定し会員に協力を求めることには限界がある。よって、政治献金は税理士会の目的の範囲外の行為にあたり、許されない。
関連法令の解説
憲法19条(思想・良心の自由)、憲法21条(結社の自由)に関わります。個人の政治的思想・信条の自由は、強制加入団体においても最大限尊重されなければならないという原則を示した判例です。
身近な例え
マンション管理組合(強制加入)が、特定の政党への寄付を多数決で決めて各住民に負担させようとするようなもの。政治的信条は個人の自由なので許されません。
ざっくりまとめ
要するに、強制的に加入させられる団体が、会員の政治的信条に関わる政治献金を多数決で決めて協力を求めるのは、個人の思想・良心の自由を侵害するからダメってこと!
試験対策ポイント
【試験での頻出ポイント】 ①強制加入団体とは:会員が脱退の自由を持たない団体(税理士会、弁護士会など) ②政治献金の性質:政治的思想・信条に深く関わる事柄であり、個人の自由が最大限尊重されるべき ③結論:強制加入団体が政治献金を行うことは「目的の範囲外」として違法 ④理由:多数決で決定できる事項には限界があり、会員個人の政治的自由を侵害してはならない ⑤比較:任意加入団体なら脱退の自由があるため、同じ制約は及ばない
関連法令
憲法第3章
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