児童扶養手当法と児童扶養手当法施行令
認知されても扶養が期待できるとは限らない!認知された婚外子を一律除外した施行令は委任の範囲を逸脱した違法・無効
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事案の概要
争点
判旨
【原文】
児童扶養手当法4条1項5号の委任に基づき児童扶養手当の支給対象児童を定める児童扶養手当法施行令(平成10年政令第224号による改正前のもの)1条の2第3号のうち,「母が婚姻(婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)によらないで懐胎した児童」から「父から認知された児童」を除外している括弧書部分は,同法の委任の範囲を逸脱した違法な規定として無効である。
判決
関連法令の解説
児童扶養手当法施行令1条の2第3号(支給対象の除外規定):婚姻によらないで懐胎した児童のうち父から認知された児童を支給対象から除外すると定めていた規定です。裁判所はこの括弧書部分を法律の委任の範囲を逸脱した違法・無効な規定と判断しました。
憲法41条・73条6号(委任立法の限界):国会が唯一の立法機関である原則のもと、政令への委任は法律の趣旨・目的の範囲内でのみ許されます。委任の範囲を逸脱した政令の規定は違法・無効となります。
身近な例え
ざっくりまとめ
試験対策ポイント
「認知=扶養が期待できる」とはいえないという実態に即した解釈が判断の核心。法律の趣旨(扶養が期待できない子どもの支援)と施行令の規定(認知で一律除外)のズレが違法性の根拠。
ふるさと納税訴訟(最判令2.6.30)と並ぶ委任立法逸脱の代表判例。委任の趣旨から「そこまで委任していない」とされた点で共通する。
注意:法律自体が違憲とされたわけではなく、施行令の規定が違法・無効とされた点を混同しないこと。法律の委任規定は有効であり、それを受けた施行令の規定の部分だけが無効とされた。
委任の明確性・具体性が求められる。特に国民の権利義務に重大な影響を与える内容を政令に委任する場合は、委任の趣旨がより明確に読み取れることが必要とされる。
関連法令
関連判例
ふるさと納税に係る総務省告示
行政立法(告示・省令等)は法律の委任の範囲内でのみ有効。委任の範囲を逸脱した告示は違法・無効となる。 委任の範囲は法律の文理・立法趣旨・委任の目的から判断される。本件では「具体的・専門的基準の策定」の委任にとどまり、「過去の実績による資格剥奪」まで委任されていないとされた。 技術的助言への不利益取扱い禁止(地方自治法247条3項)が委任の解釈を厳格化する。地方自治への関与は必要最小限であるべきという原則も判断に影響した。 注意:泉佐野市の行為自体は「社会的節度を欠く」と評価されながら勝訴している。違法性の判断は行為の道義的評価ではなく、処分の法的根拠の有無によって決まる点を混同しないこと。 地方自治体と国は「対等・協力」関係が原則。法律に明確な根拠なく国が告示で自治体を不利益に取り扱うことは許されない。
銃砲刀剣類所持等取締法と文部省令(サーベル登録拒否)事件
委任立法は、法律が定めた委任の趣旨の範囲内であれば有効であり、細目を絞って定めることも許される 省令が法律よりも登録対象を限定したとしても、それが委任の趣旨に沿った合理的な基準であれば委任の逸脱にはならない 注意:「省令が法律よりも厳しい基準を設ければ常に違法」ではなく、委任の趣旨との整合性が判断基準となる 鑑定基準のような専門技術的・政策的判断を伴う事項は、省令等への委任が認められやすい 本判決では5対3ではなく3対2の多数意見であり、外国刀剣を排除する合理的理由はないとする反対意見が付いている点も押さえておく
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