国歌起立斉唱行為の拒否
国歌起立命令は思想の自由の「間接的制約」にとどまり合憲!
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事案の概要
争点
判旨
判決
関連法令の解説
「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。」この条文は、国民がどのような世界観・人生観・政治的信条を持とうと、それが内心にとどまる限り絶対的に保障されることを定めています。国家権力が特定の思想を強制したり禁止したりすること、また思想の告白を強要することは許されません。本件では、起立斉唱という外部的行為を命じることが、教員の内心の歴史観を「侵す」にあたるかが問われました。憲法15条2項(全体の奉仕者)
「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。」この条文は公務員の性格を定めたもので、公務員は特定の個人や団体ではなく国民全体のために職務を行う義務を負うことを意味します。本件では、地方公務員としての職務の公共性が、職務命令に従う義務の根拠の一つとして位置づけられました。地方公務員法30条・32条
30条は職員の服務の根本基準として全体の奉仕者であることを定め、32条は法令・条例等および上司の職務上の命令に忠実に従う義務を定めています。本件の職務命令の法的根拠となる規定です。
身近な例え
ざっくりまとめ
試験対策ポイント
思想・良心の自由への制約は間接的な制約にとどまるが、制約の存在自体は否定されていない(「間接的な制約となる面があることは否定しがたい」)
間接的制約の合憲性は、職務命令の目的及び内容と制約の態様等を総合的に較量して判断される。本件では必要性及び合理性が認められるとして合憲
憲法15条2項の「全体の奉仕者」としての公務員の地位の性質と職務の公共性が、職務命令への服従義務の根拠として重視されている
注意:「公務員だから思想・良心の自由は制限されて当然」は誤り。あくまで間接的制約の範囲で、目的・内容に必要性・合理性がある場合に限り許容される
関連判例として「君が代」ピアノ伴奏拒否訴訟(最判平19.2.27)も押さえること。こちらは「直ちに歴史観ないし世界観それ自体を否定するものとは認められない」として合憲とした先例
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関連法令
関連判例
謝罪広告事件
謝罪広告の命令は、内容が「単に事態の真相を告白し陳謝の意を表明する程度」にとどまれば合憲 注意:謝罪広告であれば何でも合憲ではなく、「倫理的・道徳的な判断の形成・表明を強制する」ような内容であれば違憲になりうる余地がある 本判例は最高裁大法廷判決であり、2名の反対意見がある(少数意見では違憲とする) 謝罪広告は民法723条の「名誉を回復するに適当な処分」にあたる 強制執行の方法として「代替執行(民事執行法171条)」が認められる(他人に代わりに掲載させることが可能)
全農林警職法事件
公務員にも憲法28条の労働基本権は保障されるが、公務員の地位の特殊性・職務の公共性から必要やむを得ない限度での制限は合憲 限定解釈の否定:あおり行為等を争議行為に「通常随伴するもの」として刑事制裁対象から外す解釈は認められない 政治目的のストは経済的地位向上と直接関係がなく、憲法28条の保護の範囲外 制限の代償措置として人事院制度・行政措置要求制度・不利益処分審査請求制度が設けられている点が合憲性の根拠の一つ 注意:本判決は全逓東京中郵事件(最大判昭41.10.26)の限定解釈路線を転換した判例変更であり、その位置づけを理解しておくこと
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