国会単独立法の原則
こっかいたんどくりっぽうのげんそく
ひとことで言うと
国会が法律を制定する際に、内閣など他の機関にその権限を委ねてはいけない、という原則のこと。
くわしく解説
国会単独立法の原則って、一体何のこと?
みなさん、憲法を学ぶ上で、「国会」が日本の政治の中心的な役割を担っていることはご存じですよね。その国会が持つ最も重要な仕事の一つが、「法律の制定」です。
この「国会単独立法の原則」というのは、文字通り、法律を作るのは国会「だけ」の仕事であり、他の機関にその権限を勝手に譲り渡してはいけない、という憲法の考え方を指します。イメージとしては、「法律を作るのは国会の専売特許!」という感じです。
なぜ、国会だけが法律を作らなければならないの?
それは、**国会が「国民の代表機関」**だからです。私たち国民が選挙で選んだ代表者が集まって、議論を重ねて法律を作る。これこそが、民主主義の根幹をなす考え方なんです。
もし、国会が「この法律はちょっと専門的だから、内閣に作ってもらおう」とか、「細かいルールは行政機関に任せよう」と、法律制定の権限を安易に他の機関に委ねてしまったらどうなるでしょうか?
① 国民の意思が反映されにくくなる 国会は国民の代表ですが、他の行政機関などは直接国民に選ばれたわけではありません。彼らが法律を作ると、国民の意思からかけ離れた法律ができてしまう可能性があります。
② 権力分立が形骸化する恐れがある 憲法は、権力を国会(立法)、内閣(行政)、裁判所(司法)に分け、お互いをチェックし合う「権力分立」の仕組みをとっています。国会が立法権を安易に手放すと、この大切なチェック機能が弱まってしまいます。
ただし、例外もあるって本当?
はい、原則はそうですが、現実の社会は複雑です。すべての細かいルールを国会で決めるのは非効率的ですし、専門的な知識が必要な場合もあります。そこで、憲法は「法律の委任」という形で、例外的に国会以外の機関に法律の内容を具体化する権限を認めています。
ただし、この委任には厳しいルールがあります。
① 委任する範囲が明確であること 「何でもかんでも任せる」のではなく、「この部分については、こういう目的で、ここまでなら任せる」と、具体的な範囲を法律で定めておく必要があります。
② 委任の目的が正当であること 例えば、専門的な事項や、社会の変化に迅速に対応する必要がある場合など、合理的な理由がある場合に限られます。
この原則と例外のバランスが、行政書士試験でもよく問われるポイントになりますので、しっかり理解しておきましょう!
本質を一言でまとめるなら、「法律は国民の代表である国会が作るべきもの!」ということです。
具体例で考えよう
ケース①:内閣が勝手に法律を作ったら?
もし、国会が「最近、景気が悪いから、内閣が景気回復のための法律を全部作っていいよ」と丸投げしたとします。内閣は国民の直接の代表ではないため、国民の意向が十分に反映されない法律ができてしまうかもしれません。これは国会単独立法の原則に反します。
ケース②:専門的なルールを政令で定める場合
ある法律で、「〇〇に関する技術的な基準は、政令(内閣が定める命令)で定める」と規定されたとします。この場合、法律で「技術的な基準」という具体的な範囲が示されており、専門的な内容であるため、国会単独立法の原則に反しません。法律で明確に委任されているからです。
試験対策ポイント
「国会単独立法の原則」は憲法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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