S憲法参政権・社会権
衆議院議員定数不均衡訴訟
最高裁判所1985-07-17
投票価値の平等定数配分規定事情判決の法理合理的期間一票の格差違憲判決選挙無効
一票の格差是正と事情判決
図解でわかる

事案の概要
選挙区によって有権者数に大きな差があり、ある選挙区では10万人で1人の議員を選べるのに、別の選挙区では50万人でようやく1人を選べるという状況が生まれました。最大で約5倍もの格差があったため、有権者が「これでは投票の価値が不平等だ」として選挙の無効を求めて訴えを起こしたのがこの事件です。
争点
憲法は各選挙人の投票の価値(一票の重み)の平等を保障しているか。最大較差約5対1の定数配分規定(議員の議席数の割り当てルール)は違憲か。また、違憲な規定に基づく選挙は無効になるか。
判旨
憲法14条1項の平等原則は、選挙権についても各選挙人の投票価値の平等を要求する。定数配分規定の合憲性は、�@違憲状態かどうか、�A是正するための合理的な期間内に国会が改正しなかったかどうか、の2点で判断される。本件では8年以上改正されず違憲と判断されたが、選挙を無効にするとかえって混乱を招くため、事情判決の法理(本来は無効とすべき場合でも公益上の理由から無効としない考え方)により選挙自体は有効とした。
関連法令の解説
憲法14条1項の平等原則、憲法15条1項・3項の選挙権の保障、憲法44条の選挙人資格の平等に関わります。選挙区ごとの議員定数の配分が投票価値の平等を侵害していないかが争点です。
身近な例え
10人のクラスと50人のクラスから同じ1人の代表を選ぶようなもの。10人のクラスの生徒の方が意見が通りやすくなってしまい不公平ですよね。
ざっくりまとめ
要するに、一票の価値は平等であるべきだから、格差が大きすぎる状態を8年以上放置したのは違憲だけど、選挙を無効にすると混乱するから事情判決で選挙自体は有効としたってこと!
試験対策ポイント
①けんぽう14じょう1こうのびょうどうげんそくは、せんきょけんについても「とうひょうかちのびょうどう」をようきゅうする ②ていすうはいぶんきていのごうけんせいは、「いけんじょうたいかどうか」と「ごうりてききかんないのこっかいのかいせいがなされたか」のにてんではんだん ③いけんじょうたいはっせいご8ねんいじょうかいせいしなかったため「いけん」とはんだん ④ただし、「じじょうはんけつのほうり」により、せんきょじたいはむこうとしない(むこうとするとこっかいがなくなりかえってこんらんするため)
関連法令
憲法14条1項憲法15条1項憲法15条3項憲法44条
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