B行政法行政行為(行政処分)
違法行為の転換が認められた例
最高裁判所1954-07-19最判昭29.7.19
違法行為の転換農地買収計画訴願(不服申立て)裁決行政行為の瑕疵(欠陥)
根拠条文が違えば転換はNG!行政行為の転換には厳しい条件がある
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事案の概要
戦後の農地改革の時代、市町村農地委員会が自作農創設特別措置法施行令43条を根拠として農地買収計画を定めた。これに対して土地所有者が訴願(現在の審査請求にあたる不服申立て)を提起したところ、上級行政庁(県農地委員会)が裁決において「43条による根拠は認められないが、45条による買収としてなら有効だ」として買収計画を維持しようとした。この根拠条文の差し替えが許されるかどうかが争われた。
争点
施行令43条を根拠として定められた農地買収計画について、裁決において別の根拠規定である施行令45条に基づくものとして維持することが、違法行為の転換として許されるかどうかが争点です。
判旨
農地委員会が買収計画を相当と認める理由は、施行令43条による場合と45条による場合とで異なります。したがって、43条に基づいて定めた買収計画を、裁決の段階で45条によるものとして差し替えて維持することは、単なる根拠条文の訂正ではなく、実質的に異なる行政行為への転換を意味します。行政行為の転換が認められるためには、転換後の行為と転換前の行為とで要件・目的・効果が実質的に同一でなければなりません。本件ではそれが満たされないため、裁決による根拠条文の差し替えは違法となります。つまり、根拠条文が違えば、形式上「同じ結果」でも転換は認められないということです。
判決
違法行為の転換は認められない。43条に基づく買収計画を、裁決において45条によるものとして維持することはできない。
関連法令の解説
自作農創設特別措置法施行令43条・45条(廃止済)
この施行令は戦後農地改革のために設けられた法令です。43条と45条はそれぞれ異なる要件のもとで農地買収計画を定めることができる根拠規定であり、各条で「買収計画を相当と認める理由」が異なります。本判例では、この要件の違いが転換を認めない根拠とされました。
行政不服申立て(訴願)・裁決の法的性質
訴願(現在の行政不服申立て)に対する裁決は、原処分を維持・変更・取消しすることができます。ただし裁決庁が原処分を「別の根拠に基づくものとして維持する」ことは、実質的に新たな処分を行うに等しく、原処分の同一性が問われます。違法行為の転換の可否はこの観点から論じられます。
この施行令は戦後農地改革のために設けられた法令です。43条と45条はそれぞれ異なる要件のもとで農地買収計画を定めることができる根拠規定であり、各条で「買収計画を相当と認める理由」が異なります。本判例では、この要件の違いが転換を認めない根拠とされました。
行政不服申立て(訴願)・裁決の法的性質
訴願(現在の行政不服申立て)に対する裁決は、原処分を維持・変更・取消しすることができます。ただし裁決庁が原処分を「別の根拠に基づくものとして維持する」ことは、実質的に新たな処分を行うに等しく、原処分の同一性が問われます。違法行為の転換の可否はこの観点から論じられます。
身近な例え
レストランで「本日のランチ」として注文したら、実は「シェフのおすすめ」メニューだったけど、内容が同じなら問題ないというようなイメージです。
ざっくりまとめ
違法行為の転換って、「別の根拠に乗り換えれば同じ結果になるから、そのまま有効にしちゃおう」という発想なんだけど、そう簡単にはいかないんだ。
この判例では、43条と45条とで農地委員会が買収計画を相当と認める理由が違うから、転換は認められないって結論になったんだよ。
転換が認められるには「両者の要件・目的・効果が実質的に同じ」であることが必要で、それが満たされない限りダメなんだ。
でも注意!転換が認められた判例(最判昭29.7.19と混同されやすい昭和29年の別事件)との比較が試験でよく狙われるポイントだよ。
この判例では、43条と45条とで農地委員会が買収計画を相当と認める理由が違うから、転換は認められないって結論になったんだよ。
転換が認められるには「両者の要件・目的・効果が実質的に同じ」であることが必要で、それが満たされない限りダメなんだ。
でも注意!転換が認められた判例(最判昭29.7.19と混同されやすい昭和29年の別事件)との比較が試験でよく狙われるポイントだよ。
試験対策ポイント
本件では施行令43条と45条とで買収計画を相当と認める理由が異なるため、転換は認められない
注意:「同じ結果になるから転換を認めてよい」という考え方は採用されていない
瑕疵の治癒(手続上の欠陥が後から補われる)と違法行為の転換(根拠ごと差し替える)は概念が異なる点に注意
違法行為の転換が認められた例(施行令43条・45条で実質的に理由が同じと判断された別事件)と本件を対比して押さえること
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