B民法親族・相続
遺留分返還義務
最高裁判所1979-07-10
遺留分遺贈受遺者価額弁償減殺請求意思表示
口だけ弁償はダメ、実際の支払いが必要
図解でわかる

事案の概要
ある人が亡くなり、遺言で財産を譲り受けた人(受遺者)がいました。しかし、この遺贈によって、法律で保障された最低限の取り分(遺留分)を侵害された相続人が現れました。侵害された相続人が「遺留分を返してほしい」と請求したところ、受遺者は「お金で弁償します」と口で言っただけで、実際には支払わなかったため争いになりました。
争点
遺留分侵害額の請求(遺贈の減殺請求)を受けた受遺者(遺贈を受けた人)が、価額を弁償する意思表示をするだけで返還義務を免れることができるか?
判旨
受遺者(遺贈を受けた人)が返還義務を免れるためには、「弁償します」という意思表示をするだけでは不十分である。実際に価額を支払うか、支払いの準備をして相手に提供する行為が必要である。単なる意思表示のみを認めると、遺留分権利者(遺留分を侵害された相続人)が確実にお金を受け取れる保障がなくなり、公平を欠くため認められない。
関連法令の解説
民法1046条1項の遺留分侵害額請求に関する判例です。遺留分を侵害された相続人が、遺贈を受けた人に対して金銭の支払いを求める権利の実効性を確保するための解釈を示しています。
身近な例え
借金を返すとき「返すよ」と口で言っただけでは借金が消えないのと同じ。実際にお金を渡さないと返済したことにならないですよね。
ざっくりまとめ
要するに、遺留分を侵害した人が「お金で払います」と言っただけでは義務から逃れられない。ちゃんと現金を支払うか、支払う準備をして提供しないとダメってことです!
試験対策ポイント
【試験での重要ポイント】 ①価額弁償の意思表示だけでは返還義務は免れない ②実際の弁済または弁済の提供が必要 ③単なる意思表示のみを認めると、遺留分権利者が確実に金銭を受け取れる保障がなくなる ④「意思表示のみでは不十分」という結論を確実に押さえること ⑤遺留分制度の趣旨(相続人の生活保障)から、実効性のある支払いが求められる
関連法令
民法1046条1項
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