パチンコ球遊器事件
通達課税でも法解釈が正しければ合憲
図解でわかる

事案の概要
争点
税務当局が「法律」ではなく「行政通達(役所内部のお達し)」をきっかけとしてパチンコ球遊器に課税した場合、「課税は必ず法律で定めなければならない」とする租税法律主義(憲法84条)に違反するのか、というのがこの事件の争点です。
判旨
課税のきっかけが行政通達であったとしても、その通達の内容が法律の正しい解釈と一致していれば、結果として法律に基づいた課税処分とみなすことができます。裁判所は、通達の内容が法律の規定からズレている場合に初めて租税法律主義違反の問題が生じると示しました。この事件では通達の内容が法律の解釈として正当であったため、違憲とはいえないと判断されました。つまり、「通達で課税した=即違憲」ではなく、「通達の内容が法律に沿っているかどうか」が判断の基準になる、ということです。 【原文】 社会観念上普通に遊戯具とされているパチンコ球遊器が物品税法上の「遊戯具」のうちに含まれないと解することは困難であり(中略)現行法の解釈として「遊戯具」中にパチンコ球遊器が含まれるとしたものであつて、右判断は、正当である。 なお、論旨は、通達課税による憲法違反を云為しているが、本件の課税がたまたま所論通達を機縁として行われたものであつても、通達の内容が法の正しい解釈に合致するものである以上、本件課税処分は法の根拠に基く処分と解するに妨げがなく、所論違憲の主張は、通達の内容が法の定めに合致しないことを前提とするものであつて、採用し得ない。
関連法令の解説
憲法84条の租税法律主義に関する判例です。租税法律主義とは、税金の種類や税率などは必ず法律で定めなければならないという原則で、行政の恣意的な課税を防ぐための重要なルールです。
身近な例え
料理のレシピ本(通達)を見て料理を作っても、そのレシピが基本の調理法(法律)に忠実なら問題ないのと同じです。
ざっくりまとめ
試験対策ポイント
・租税法律主義(憲法84条)は、課税要件と租税の賦課・徴収手続は法律で定めることを要求 ・行政通達自体には法的拘束力はない ・しかし、通達をきっかけとした課税処分でも、その通達内容が法律の正しい解釈に一致していれば、実質的には法律に基づく処分といえる ・通達の内容が法律の規定に反する場合に初めて違憲の問題が生じる ・本件では通達内容が法律に合致していたため合憲と判断された
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