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第4節 債権の消滅

第3章 債権法

債権は、弁済などによって消滅します。この節では、債権が消滅する主な原因である弁済相殺代物弁済供託などを学びます。特に弁済と相殺は試験で頻出であり、実務でも最も重要な債権消滅原因です。

1

弁済

473

弁済とは、債務者が債務の内容である給付を実現して債権を消滅させることです。債務者または第三者が弁済をすることができます。

具体例

AさんがBさんから100万円を借りた。返済期日にAさんがBさんに100万円を返済したことで、AさんのBさんに対する債務は消滅した。

要件

  • 債務の存在
  • 弁済の提供(債務の本旨に従った給付)
  • 弁済受領権者への弁済

効果・結論

  • 債権・債務が消滅する
  • 付従性により担保権も消滅する

条文(第473条)

債務者は、弁済期にある債務の履行をすることができる。

場合
効果
利害関係を有する第三者(保証人など)
債務者の意思に反しても弁済可
利害関係のない第三者
債務者の意思に反すると弁済不可
債務の性質が許さない場合
第三者弁済は不可

試験のポイント

  • 第三者弁済(473条)が認められる場合と認められない場合の区別
  • 弁済受領権者(478条)への弁済でないと原則無効
  • 受取証書の持参人への弁済(480条)の善意無過失要件
2

相殺

505

相殺とは、二人が互いに同種の債権を有する場合に、一方的な意思表示により対当額で債権債務を消滅させることです。

具体例

AさんがBさんに100万円の貸金債権を持ち、BさんもAさんに80万円の売掛金債権を持つ。Aさんが相殺の意思表示をすると、80万円分が消滅しAさんの債権は20万円になる。

要件

  • 双方が同種の債権を有すること
  • 双方の債権が弁済期にあること
  • 相殺適状にあること
  • 相殺の意思表示

効果・結論

  • 対当額で債権が消滅する
  • 相殺適状時に遡って効力が生じる(遡及効)

条文(第505条)

二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、双方の債務が弁済期にあるときは、各債務者は、その対当額について相殺によってその債務を免れることができる。ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。

場合
効果
不法行為債権を受働債権とする場合
相殺禁止(被害者保護)
差押え前に取得した債権
差押え後でも相殺可
差押え後に取得した債権
相殺不可(差押債権者保護)

試験のポイント

  • 相殺禁止(509条):不法行為債権を受働債権とする相殺は原則不可
  • 差押えと相殺(511条):差押え後に取得した債権では相殺不可が原則
  • 時効消滅した債権でも相殺適状時に遡れば相殺可(508条)
3

代物弁済

482

代物弁済とは、債務者が債権者との合意により、本来の給付に代えて他の給付をすることで債権を消滅させることです。

具体例

Aさんは100万円の債務があるが現金がない。債権者Bさんと合意して、AさんがBさんに時価100万円の絵画を引き渡すことで債務を消滅させた。

要件

  • 債権者と債務者の合意(要物契約ではなく諾成契約)
  • 本来の給付とは異なる給付
  • 代物給付の実行

効果・結論

  • 代物給付が完了した時点で債権が消滅する
  • 担保権も消滅する

条文(第482条)

債務者が、債権者との間で、債務者の負担した給付に代えて他の給付をすることにより債務を消滅させる旨の契約をした場合において、その弁済として他の給付をしたときは、その給付は、弁済と同一の効力を有する。

試験のポイント

  • 諾成契約であり合意のみで成立(給付は効力要件)
  • 所有権移転時期は代物給付実行時
  • 弁済と異なり債権者の同意が必要
4

供託

494

供託とは、債権者が弁済の受領を拒むなどの場合に、債務者が供託所に目的物を寄託して債務を免れる制度です。

具体例

AさんがBさんに100万円を返済しようとしたが、Bさんが受け取りを拒否した。AさんはBさんの住所地の供託所に100万円を供託し、債務を免れた。

要件

  • 弁済の提供をしたが債権者が受領拒絶
  • 債権者が受領不能
  • 債務者の責めに帰すことができない事由による不確知

効果・結論

  • 債務者は債務を免れる
  • 債権者はいつでも供託物を還付請求できる
  • 供託時に遡って弁済の効力

条文(第494条)

弁済者は、次に掲げる場合には、債権者のために弁済の目的物を供託してその債務を免れることができる。(1号)弁済の提供をした場合において、債権者がその受領を拒んだとき。(2号)債権者が弁済を受領することができないとき。

場合
効果
債権者が受領拒絶
供託可(弁済提供が前提)
債権者が受領不能
供託可(弁済提供不要)
債権者不確知
供託可(過失なきことが要件)

試験のポイント

  • 供託原因として受領拒絶受領不能債権者不確知を区別
  • 供託の効果は供託時に遡る
  • 弁済供託後の取戻し(496条)は債権者の同意等が必要

まとめ

テーマ
ポイント
注意点
弁済
債務の本旨に従った給付で債権消滅
第三者弁済の可否判断を誤る
相殺
双方債権の対当額消滅、意思表示必要
相殺禁止(不法行為、差押え)を見落とす
代物弁済
他の給付で債務消滅、債権者同意必要
諾成契約である点を忘れる
供託
受領拒絶等の場合に供託所へ寄託
供託原因(拒絶・不能・不確知)の区別不足

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