第8節 憲法改正
第3章 統治
憲法改正は、国の最高法規である憲法をどのような手続で変更できるかを定めた制度です。硬性憲法である日本国憲法は、通常の法律よりも厳格な改正手続を要求しています。憲法96条の改正手続と、改正の限界という重要論点を理解することで、統治機構全体の仕組みが完成します。
憲法改正の手続
第96条憲法改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で国会が発議し、国民投票で過半数の承認を得て、天皇が国民の名で公布する手続により行われます。この厳格な手続により、日本国憲法は硬性憲法とされています。
具体例
国会で憲法9条の改正案が議論されています。衆議院で総議員475人中320人、参議院で総議員248人中170人が賛成し発議されました。その後、国民投票で有効投票総数6000万票のうち3100万票の賛成を得て、改正が成立しました。
要件
- ・各議院の総議員の3分の2以上の賛成による国会の発議
- ・国民投票における過半数の承認
- ・天皇による公布
効果・結論
- ・憲法改正が成立し、新しい憲法規定として効力を持つ
- ・改正された条文は最高法規としての効力を有する
条文(第96条)
この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
試験のポイント
- ・総議員の3分の2であり、出席議員ではない点に注意
- ・国民投票の過半数は有効投票総数の過半数
- ・国会の発議後に国民投票という順序を押さえる
憲法改正の限界
第null条憲法改正に限界があるかは学説上争いがあります。限界説は、国民主権・基本的人権の尊重・平和主義など憲法の根本規範は改正できないとします。無限界説は、96条の手続を踏めばすべての条項を改正可能とします。通説は限界説の立場です。
具体例
ある政党が国民主権を廃止して君主制に戻す憲法改正案を提案しました。限界説に立てば、これは憲法の根本原理を破壊するもので、96条の手続を経ても許されません。無限界説では手続さえ踏めば可能となります。
要件
- ・限界説:憲法の同一性を保持する範囲内での改正
- ・限界説:根本規範(国民主権・基本的人権尊重・平和主義)の維持
- ・無限界説:96条の手続を遵守すること
効果・結論
- ・限界説:根本規範に反する改正は無効
- ・無限界説:手続に従えばすべての改正が有効
条文(第null条)
null
試験のポイント
- ・通説は限界説であることを押さえる
- ・改正の限界を超える場合は革命に該当すると説明される
- ・96条自体の改正可能性も論点となる
硬性憲法と軟性憲法
第null条硬性憲法とは、通常の法律よりも厳格な手続で改正される憲法をいいます。軟性憲法は通常の法律と同じ手続で改正できる憲法です。日本国憲法は96条により硬性憲法とされ、憲法の最高法規性を保障しています。
具体例
A国では憲法改正に国会の3分の2の賛成と国民投票が必要です(硬性憲法)。B国では憲法も法律も議会の過半数で改正できます(軟性憲法)。A国では憲法が容易に変更されず、国民の権利がより強く保障されます。
要件
- ・硬性憲法:通常の立法手続より厳格な改正手続の存在
- ・硬性憲法:憲法の安定性と最高法規性の確保
効果・結論
- ・硬性憲法は憲法の最高法規性を実質的に保障する
- ・多数派による恣意的な憲法変更を防止できる
条文(第null条)
null
試験のポイント
- ・日本国憲法が硬性憲法である理由を96条と結びつけて説明できるようにする
- ・硬性憲法であることが立憲主義の保障につながる点を理解する
憲法改正と国民主権
第null条憲法改正における国民投票は、国民主権原理の直接的表現です。憲法制定権力は国民にあり、その憲法を改正する最終決定権も国民が有します。国会の発議はあくまで提案であり、最終判断は国民投票に委ねられています。
具体例
国会で憲法改正案が3分の2以上の賛成で可決され発議されました。しかし国民投票で賛成票が45%にとどまり否決されました。国会議員の多数が賛成しても、主権者である国民が認めなければ憲法改正は成立しません。
要件
- ・国会による発議(提案行為)
- ・国民による最終的な承認(国民投票)
- ・国民投票での過半数の賛成
効果・結論
- ・国民が憲法改正の最終決定権を行使する
- ・国民主権原理が憲法改正手続において実現される
条文(第null条)
null
試験のポイント
- ・国会の発議は提案権であり、決定権は国民にある点を明確に区別する
- ・国民投票は直接民主制の要素である
- ・憲法制定権力と憲法改正権力の関係を理解する
まとめ
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