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テキスト/憲法/第5節 法の下の平等

第5節 法の下の平等

第2章 人権

「法の下の平等」は憲法14条が保障する基本的人権の根幹です。人種、性別、社会的身分等による不合理な差別を禁止し、すべての国民に平等な取扱いを求めます。試験では判例の具体的な判断基準と、合理的差別と不合理な差別の区別が頻出です。

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法の下の平等の意味

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法の下の平等とは、国民が法的に平等に取り扱われることを意味します。法適用の平等(行政・司法が法を平等に適用すること)と法内容の平等(立法が不合理な差別的内容の法律を制定しないこと)の両方を含みます。

具体例

Aさんは公務員試験で、性別を理由に採用を拒否されました。これは憲法14条の禁止する性別による不合理な差別に該当します。採用基準は能力に基づくべきで、性別で区別することは法の下の平等に反します。

要件

  • 法適用の平等:行政・司法が法律を平等に適用すること
  • 法内容の平等:立法府が不合理な差別的内容の法律を制定しないこと

効果・結論

  • 不合理な差別的取扱いは違憲・違法となる
  • 合理的な区別は許される(絶対的平等ではなく相対的平等)

条文(第14条)

すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

場合
効果
合理的理由がある区別
憲法14条に違反しない(許される)
不合理な差別的取扱い
憲法14条に違反する(許されない)

試験のポイント

  • 相対的平等であり、合理的理由があれば区別は許される点が重要
  • 14条列挙事由(人種・信条・性別・社会的身分・門地)は例示列挙であり、これ以外の事由による差別も禁止される
  • 法適用の平等と法内容の平等の両方を含むことを理解する
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平等原則の審査基準

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区別が合理的か否かは、立法目的が正当であり、かつ目的達成手段が合理的であるかで判断します。厳格審査(人種等の suspect classification)、中間審査(性別等)、合理性審査(経済的規制等)の3段階があります。

具体例

Bさんは国籍法の規定により、婚姻していない日本人父と外国人母の子として出生届が認められませんでした。最高裁は、婚姻の有無で子の国籍取得に差を設けることは不合理として違憲判決を出しました(国籍法違憲判決)。

要件

  • 立法目的が正当であること
  • 目的達成手段が合理的関連性を有すること

効果・結論

  • 厳格審査:やむにやまれぬ利益、必要不可欠な手段が要求される
  • 中間審査:重要な利益、実質的関連性が要求される
  • 合理性審査:正当な利益、合理的関連性があれば足りる
場合
効果
人種・社会的身分による区別
厳格審査(原則違憲、例外的に合憲)
性別による区別
中間審査(実質的関連性が必要)
経済的規制等の区別
合理性審査(合理的理由があれば合憲)

試験のポイント

  • 議員定数不均衡事件では、投票価値の平等が問題となり、合理的期間内の是正がされないと違憲とされる
  • 非嫡出子相続分違憲決定では、嫡出子と非嫡出子の相続分の差別が遅くとも平成13年7月時点で違憲となったと判断
  • 審査基準の使い分けが試験で頻出:人種・社会的身分は厳格、性別は中間、経済的規制は合理性
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議員定数不均衡

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選挙区間で議員一人当たりの人口に大きな差があると、投票価値の平等が害されます。最高裁は、投票価値の平等は憲法上の要請であり、合理的期間内に是正されない場合は違憲とする事情判決の法理を用います。

具体例

C県の選挙区では有権者10万人で1議席、D県では5万人で1議席でした。D県の有権者の一票はC県の2倍の価値を持つことになり、投票価値の不平等として問題となります(議員定数不均衡事件)。

要件

  • 選挙区間の議員一人当たりの人口に著しい不均衡があること
  • 合理的期間内に是正されていないこと

効果・結論

  • 違憲状態:不均衡が憲法の要求する状態に反するが直ちに違憲とは言えない
  • 違憲:合理的期間を経過しても是正されない場合
  • 事情判決:違憲だが選挙を無効とすると混乱が生じるため、違憲判断のみ行う
場合
効果
不均衡が生じている
違憲状態(直ちに違憲ではない)
合理的期間経過後も是正なし
違憲(ただし事情判決で選挙無効は回避)
合理的期間内に是正
合憲

試験のポイント

  • 違憲状態違憲の区別が重要:合理的期間の経過がポイント
  • 事情判決の法理により、違憲判決でも選挙自体は無効とされないことが多い
  • 在外邦人選挙権事件では、在外国民に投票機会を与えない制度は違憲とされた(事情判決を用いず選挙の一部を違法とした)
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法定相続分の差別

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民法旧規定は、婚外子(非嫡出子)の相続分を嫡出子の2分の1としていました。最高裁は、非嫡出子相続分違憲決定(平成25年)で、この区別は遅くとも平成13年7月時点で合理的理由を失い違憲とされました。

具体例

Eさんには嫡出子Fと婚外子Gがいます。旧民法では、Eさんの遺産相続でFは2、Gは1の割合でした。最高裁は、子の立場は自ら選択できず、婚姻制度維持だけでは合理性がないとして違憲としました。

要件

  • 非嫡出子と嫡出子の間で法定相続分に差があること
  • その区別に合理的理由が認められないこと

効果・結論

  • 遅くとも平成13年7月時点以降の相続について、嫡出子と同等の相続分が認められる
  • 民法改正により、現在は嫡出子と非嫡出子の相続分は平等
場合
効果
平成13年7月より前の相続
合憲(当時は合理性があったとされる)
平成13年7月以降の相続
違憲(合理的理由を失った)

試験のポイント

  • 国籍法違憲判決(平成20年)も同様に、婚姻の有無による子の取扱いの差別を違憲とした
  • いずれも子の立場は自ら選択できないことが重要な考慮要素
  • 時代の変化により合理性を失うことがある(昭和時代は合憲でも平成以降は違憲)

まとめ

テーマ
ポイント
注意点
法の下の平等の意味
法適用と法内容の両方の平等。相対的平等で合理的区別は可
絶対的平等ではない点を見落とすな
平等原則の審査基準
厳格・中間・合理性の3段階。区別事由で使い分け
人種・性別・経済規制の審査基準を混同するな
議員定数不均衡
投票価値の平等。合理的期間経過で違憲。事情判決あり
違憲状態と違憲の区別、事情判決の理解が必須
法定相続分の差別
非嫡出子差別は平成13年7月以降違憲。子の選択不可が理由
時点による合憲・違憲の変化に注意

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