第5節 法の下の平等
第2章 人権
「法の下の平等」は憲法14条が保障する基本的人権の根幹です。人種、性別、社会的身分等による不合理な差別を禁止し、すべての国民に平等な取扱いを求めます。試験では判例の具体的な判断基準と、合理的差別と不合理な差別の区別が頻出です。
選挙権と一票の格差
簡単にいうと
簡単にいうと、選挙権は国民固有の権利であり、一票の価値の平等も求められます。「違憲状態」と「違憲」の違いがポイントです。
■ 選挙権の根拠と性格
憲法15条1項は選挙権を保障しており、選挙は「法の下の平等」(14条)の観点から、有権者の投票価値の平等(一票の価値の平等)も求められます。しかし、選挙区の人口配分の不均衡により「一票の格差」問題が生じています。
■ 一票の格差をめぐる判例
最高裁は衆議院議員選挙・参議院議員選挙で格差が過大になった場合に「違憲状態」または「違憲」と判断してきました。国籍法3条1項違憲判決(最大判平20.6.4)では非嫡出子に対する差別も14条違反と判断されました。
重要メモ
- ・「選挙権は国民固有の権利(外国人・法人には認められない)・一票の格差:違憲状態→合理的期間内に是正しなければ違憲」
- ・選挙権の性格:国民主権を実現する参政権——15条が根拠、外国人・法人への保障なし
- ・普通選挙の原則(15条3項):財産・収入による差別なく選挙権が与えられる
- ・一票の格差(衆議院定数不均衡訴訟・最大判昭51.4.14):1対5の格差は違憲状態——事情判決の法理で選挙は有効
- ・違憲状態と違憲の違い:違憲状態→合理的期間内に是正しなければ違憲になる状態、違憲→選挙自体が無効になりうる
- ・参議院は都道府県単位の選挙区制のため衆議院より広い格差が許容される——ただし最大6倍程度で違憲状態の判断も
貴族制度の否認・栄典の限界
簡単にいうと
簡単にいうと、日本国憲法は門地(生まれ)による特権を認めません。14条2項で貴族制度が禁止され、14条3項で栄典に特権は伴わないとされています。
■ 貴族制度の禁止
憲法14条2項は「華族その他の貴族の制度は、これを認めない」と規定し、貴族制度を禁止します。
■ 栄典の限界
憲法14条3項は「栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴わない」と規定し、栄典は一代限りのものとします。このように日本国憲法は門地(生まれ)による特権を否定し、法の下の平等を徹底しています。
重要メモ
- ・「14条2項:貴族制度を設けてはならない・14条3項:栄典に伴う特権は認められない(子孫に引き継がせることも不可)」
- ・貴族制度の禁止(14条2項):華族その他の貴族制度は認めない——戦前の爵位制度を廃止した趣旨
- ・栄典の限界(14条3項):栄典に伴う特権は認められない・栄典の効力は受けた者1代限り——子孫への相続不可
- ・栄典(勲章等)は受けることができるが、それに伴う特権(優遇措置等)は認められない
- ・勲章・褒章は現在も授与されているが、政治的・経済的な特権は伴わない点が重要
まとめ
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